まだまだソロ楽器としての認知度は低い方のテューバの、非常に大きな可能性を感じさせる演奏で常に高い評価を得てきたボーズヴィーク。ヴォーン・ウィリアムズからジョン・ウィリアムズまで、テューバの古典的な作品(それでも一番古くて1954年のものだが…)が収められている。歌心、テクニック、音楽性どれをとっても一級品の演奏を是非耳にしてほしい。これを聴けばあなたもきっとテューバの魅力に目覚めることだろう。

　何といってもＲＶＷの協奏曲。エルガーにも感じられる、気品あふれる曲で、熟年の渋み、噛めば噛むほど味が出る曲。８２歳！でこれがイギリスだ、文句あっか！みたいな生命力にあふれた魅力的な曲を書くＲＶＷはすごい！ 　１曲目のグレグソンも、劇の幕開けのようなファンファーレが終わったあとに始まるご機嫌なテューバのメロディがたまらなく美しく、愉快！ 最後のゴランドもティンパニとの兼ね合いで◎。

とにかくカッコイイ！　「Tuba」よりも「カッコイイ音楽」という印象が先に来ます。 以前Jonと飲んだときに、「Jazz-ManがTubaを演奏するのと、Tuba吹きがJazzを演奏するのは明確な 違いがあるんだ。」と言っていたけど、それを証明する１枚です。 最後に１曲、remixなしでブルースの演奏なんかが入ってれば、私としてはもっとうれしかったかな。 とにかく、Tuba奏者はもちろんたくさんの音楽ファンに聴いて欲しいCDです。