今までのビートニクスのアルバムを平均化した出来といった感じ。突出したものはないが、安心の出来です。

'11年発表｡ﾋﾞﾀｰで､しみるわ｡ﾋﾞｰﾄﾆｸを根っこに高橋幸宏と鈴木慶一が30年前に結成したﾕﾆｯﾄ､10年ぶりの通算4枚目｡ﾌｫｰｸ/ｶﾝﾄﾘｰな生音､電子音によるｱﾝﾋﾞｴﾝﾄと今の彼らのﾘｱﾙ感が貫かれた音は穏やかめ｡そしてｶｯﾄｱｯﾌﾟ技法を用いての詞は老成していく両者の心情が苦い…んだけど｡最後に吐かれるのひとことに少しだけ心が軽くなった｡

夕闇（または早朝か）にボンヤリと浮かび上がる川崎の工業地帯。とある巨大プラントは24時間絶え間なく稼動し続け何かを生成し続けている。 音は正にソレ。インダストリアルなヒンヤリとした質感はそのままに、しかしそれだけでは終わらせないのが幸宏氏と慶一氏の成せる技。根底には人間味あふれる源泉がポッカリと顔を覗かせている。M8では時間と空間を一足飛びに越え、切ないまでに美しいエレクトロニクス・ジンタを聴かせてくれる。後の世まで何一つとして劣化しない音の源泉。

LMD649やループテープ、工場音やトランシーバーなどを駆使したﾃｸﾉﾃﾞﾘｯｸ色が感じ取られるこの世の傑作アルバム。細野低音ボイスと同系統の「ノド声」、慶一低音ボイスの魅力もあなどれないデュオ。11） River in the Ocean はうれしいオマケ。

鈴木慶一氏とﾕｷﾋﾛ氏のﾛﾏﾝﾃｨｼｽﾞﾑが結合された傑作｡ｲﾝﾀﾞｽﾄﾘｱﾙでｼﾘｱｽな展開､薄暗く寂しげな世界観｡鋭くﾄﾝｶﾞｯﾀ音はこの時代だけのﾓﾉ｡真空ﾊﾟｯｸにして包もう｡次回作､ﾌｫｰｸ色が強くなってしまったのが残念｡

ﾕｷﾋﾛがﾑｰﾝﾗｲﾀﾞｰｽﾞの鈴木慶一と組んだﾕﾆｯﾄの1st｡中期YMOの流れを汲むｻｳﾝﾄﾞで､所謂ﾃｸﾉﾎﾟｯﾌﾟとは一線を画す暗めのﾄｰﾝのｱﾙﾊﾞﾑ｡`BGM'､`ﾃｸﾉﾃﾞﾘｯｸ'が好きな方にお薦め♪

YMO好きならお勧めです。鈴木慶一作曲のARK DIAMANTって曲かなりかっこいい！

ﾖｰｼﾞ･ﾔﾏﾓﾄのﾌｧｯｼｮﾝｼｮｰのｻﾝﾄﾗ盤｡山本耀司は幸宏氏の朋友｡再生YMOの影の立役者でもある｡耀司ｻﾝの声はしゃがれ声で渋い｡以前出したｱﾙﾊﾞﾑ(鈴木慶一ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ)､良かったなぁ…おっと､脱線｡

81年の大半を海外で過ごした幸宏氏。しかし、帰国してみると日本はブランド主義に染まっていた。 そんな日本に怒った幸宏、慶一が放った渾身の傑作。 YMOの「キュー」をさらに鋭角にした「来たるべき世界」がかっこ良すぎ。

'01年発表｡結成20周年の4th｡1stの鋭さや重さは減退したが､2人がｲｲ歳の取り方をして､ﾃｸﾉ･｢ﾎﾟｯﾌﾟ｣と向き合った作品｡固定観念は捨てて､ﾘﾗｯｸｽしたﾑｰﾄﾞで聴くのがﾍﾞｽﾄ｡