Changes

ダイアナ・ロスの弟として70年代初頭からモータウンでソング・ライターとして頭角を現していたアーサー"T・ボーイ"ロス(ARTHUR "T BOY" ROSS)。72年のマイケル・ジャクソン「I Wanna Be Where You Are」もやはりリオン・ウェアとの共作で、メキメキと評価を上げていた彼がリオンのアルバム用に書いていたのが件の「I Want You」、それをマーヴィンが気に入り、制作進行中だったリオンの他曲と併せて完成させたのがアルバム『I WANT YOU』というのは、多くのソウル・ファンが御存知だと思います。そのリオン版『I WANT YOU』である『MUSICAL MASSAGE』も関連曲などをボーナスに加えてリイシュー、勿論、マーヴィン本人のものはデラックス・エディションとして再パッケージされており、アウトテイクも含めた未発表関連はほぼ網羅されていますが、マーヴィン版『I WAN YOU』と直接の関わりは無いものの、このＴ・ボーイのセルフ・カバーもぜひ聴いておきたいというのは人情でしょう。79年のモータウン原盤、デビュー作にして唯一のアルバム、祝初CD化です！

当然ながらこのアルバムの軸はその「I Want You」。マーヴィンの究極のバージョンと比べるのは酷ですが、それを差し引いても悪くは無い出来栄え。平唄部分のメロも若干自分流に変えて(戻して)、T・ボーイ流の「I Want You」を完成させています。リオン・ウェアとのもう一曲の共作「To The Baby」もいかにもな出来栄えのメロウ・ミディアム。オープニングとクロージングでこの傑作があり、ジョー・サンプルが作曲クレジットされている西海岸風の雰囲気も感じさせるナンバーを挟みつつ構成しているこの作品。とにかくこれは嬉しいリイシュー、さすがにオランダVINYL MASTERPIECEの仕事です。
(メーカー資料より）