クリスティも認める、磁石のような吸引力のある愛らしい歌声のソプラノ、ブロンディール
様々な愛の形を吟遊詩人のように歌った1枚
西洋音楽の歴史において「愛」の複雑な力は、芸術創作の根幹を成すテーマであり続けています。これは、ルネサンスからバロックの最後期の、愛の音楽表現の発展の歴史を音でたどる1枚です。一夜の戯れの愛、永遠の愛、様々な愛のかたちが、ソプラノとテオルボ、バロック・ギター、ビウエラの音色で描かれています。中世の吟遊詩人をほうふつとさせるような、ロマンと想像力豊かな演奏です。
ソプラノのブロンディールは2021年、クリスティ指揮の『ティトンとオロール』で声とその磁力のある存在感で一躍世界の注目を集めたソプラノ。モネ劇場のアカデミーで基礎を固めたあと、2019年のフロヴィル国際バロック声楽コンクールで優勝しています。17〜18世紀音楽の演奏者としてとくにひっぱりだこで、バロック・オペラの上演には欠かせない存在となっております。クリスティのほかアラルコン、ルセ、ヘレヴェッヘ、ドセ、ヘンゲルブロックといった指揮者と共演しております。
クイト・ガトはブエノスアイレス芸術卒業後、作曲と即興を究めるためにバークリーにてさらなる研鑽を積みました。リュート、バロック・ギター、ビウエラ、テオルボをホプキンソン・スミス、エグエスらに師事。世界的なバロック・アンサンブルに参加しています。西洋のほか南米の西洋音楽の発掘にも力を入れています。フォン・オッター、ヨンチェヴァやジャルスキーといった歌手たちとも共演をかさねています。（輸入元情報）
【収録情報】
01. シャルパンティエ[1643-1704]： 緑の葉よ、生まれよ H.449a（ブリュネット集 第2巻、パリ、1704年）
02. カレスターニ[1589-after 1617]：美しき花嫁（マドリガーレとアリア集、ヴェネツィア、1617年）
03. モンテヴェルディ[1567-1643]：ああ、甘い苦しみよ（『Quatro scherzo delle ariose vaghezze』、ヴェネツィア、1624年）
04. ピッチニーニ[1566-c.1638]：シャコンヌ（リュートとキタローネのためのタブラチュア集 第1巻、ボローニャ、1623年）
05. ジュゼッピーノ・デル・ビアド[?-1616]：この空から逃れよ（ラ・マントヴァーナ）
06. フアン・バスケス[c.1500-c.1560]：ポプラの木立から来た（カンシオンとビリャンシーコ集、セビリア、1560年）
07. ジョスカン・デ・プレ[c.1450-1521]：千の後悔
08. カプスベルガー[c.1580-1651]：すでに笑った（ヴィラネッラ集 第3巻、ローマ、1619年）
09. マレ[1656-1728]：プレリュード ニ短調
10. マレ：ファンタジー ニ短調（ヴィオール曲集 第1巻、パリ、1686〜1689年 - 組曲 第1番ニ短調）
11. 作曲者不明：あなたを愛していると信じていた（ブリュネット集 第1巻、パリ、1703年）
12. フランチェスコ・スピナチーノ（1507年頃活動）：さようなら、愛しい人たち（ジョスカン・デ・プレのマドリガーレによる） （リュートのためのタブラチュラ集 第1巻、ヴェネツィア、1507年）
13. カプスベルガー：息子よ、眠れ（ヴィラネッラ集 第2巻、ローマ、1619年）
14. カッチーニ[1551-1618]：美しい紫色の薔薇（新しい音楽、フィレンツェ、1602年）
15. ホセ・マリン[1618-1699]：小川のせせらぎに合わせて（人間の声、クエンカ、1699年）
16. マレ：農婦（ヴィオール曲集 第1巻、パリ、1686〜1689年 - 組曲 第2番ニ長調）
17. クレマン・ジャヌカン[c.1485-1558]：この5月（4声の31のシャンソン、パリ、1529年）
18. ピエール・セルトン[c.1510-1572]：言えない（ピエール・アテニャン、第3巻 28のシャンソン集、パリ、1538年）
19. フアン・デル・エンシナ[1468-c.1529]：運命が分けた（宮廷音楽曲集、マドリッド、1890年）
20. ルイス・ミラン[c.1500-c.1561]：バルドビノスよ、ため息を（ヴィオラ・デ・マノの楽譜集『エル・マエストロ』第1巻、バレンシア、1536年）
21. ヴィンチェンツォ・カピローラ[1474-c.1548]：スペイン風リチェルカータ第11番（リュートのためのタブラチュア集、ヴェネツィア、1517年）
22. アロンソ・ムダッラ[c.1510-1580]：ダビデ王は悲しみに沈み（ビウエラのための数字譜による音楽集 第3巻、セビリア、1546年）
23. ディエゴ・オルティス[c.1517-c.1576]：パッサメッツォ・モデーノによる第2リチェルカーダ（装飾法の書、ローマ、1553年）
24. オノレ・ダンブリュイ[c.1660-c.1702]：森の甘き静寂（様々な作者によるエール集 第13巻、パリ、1670年）
グウェンドリン・ブロンディール（ソプラノ）
クイト・ガト（リュート、4弦ギター、テオルボ、ビウエラ）
マティルド・ヴィアル（ソプラノ・ヴィオール、6弦ヴィオール、7弦ヴィオール）
ペルネル・マルツォラーティ（トリプル・ハープ）
ローラン・サロン（パーカッション）
録音時期：2025年2月
録音方式：ステレオ（デジタル）
