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多才なトルコ人女性歌手が
2006年に残した衝撃的デビュー作！

　ミュージック・マガジンの“ベスト・アルバム 2012”のワールド・ミュージック部門で見事第４位を獲得した『・ テック』（ライス AYR-3045）がいまだ高く注目されているシェヴァル・サム。その彼女の記念すべきファースト・アルバムを、ライスから正式にリリースすることにいたしました。
　シェヴァル・サムは1973年生まれ。有名な歌手だった母の影響から幼いころより音楽に親しんだ彼女でしたが、その美貌を買われまずはテレビ・ドラマの女優としてデビューを果たしました。その後2006年にトルコの伝統系音楽を中心に紹介する専門レーベル“KALAN”からアルバム『セック』（本作）で歌手デビューを果たしましたが、なんとその時取り上げたのが、トルコの古典歌謡や古いフィルム・ソングで、いきなりの本格派の登場は当時大きな話題となりました。ただ彼女はその翌年には『イスタンブール・シークレッツ』（ライス KLR-741）という作品を発表しますが、これが一転してクラブ系サウンドを披露するという、まったく異なる音楽性のものでした。さらに2008年には黒海沿岸の民謡を取り上げたアルバム『カラデニズ』を発表、そして極めつきはトルコ独自の大衆音楽アラベスクの歴史を綴った意欲作『ハス・アラベスク』（ライス AYR-5184／2010年）で、つまりこれらの４作でトルコの代表的な歌謡スタイルを全て網羅してしまったということになります。そして現在の最新作が、2012年に発売した『・ テック』で、伝統的なオーケストラによる豪華な伴奏をバックに、トルコの古典音楽を優雅かつ可憐に聞かせてくれました。
　そんな彼女の歌手としてのスタート地点となったのが、2006年作である本作。ここで彼女が聞かせるのは、ヒジャーズやヒュッザームといったトルコ古典音楽のマカーム（旋法）に則った古典音楽や、戦後のトルコ歌謡をリードした男性歌手ゼキ・ミュレンが歌ってヒットさせた映画音楽など。もちろん伴奏は『・ テック』と同様、全編で古典楽器をフィーチャーしたトルコ風オーケストラのサウンドで、クラシカルな雰囲気の中、まだ初々しさの残るシェヴァルの美しい歌声をたっぷりと堪能することができる秀作となっています。
　容姿端麗ながら素晴らしい才能を持ち合わせた彼女の魅力を、本作で再発見してください。 （メーカー資料より）