ふと耳にした「ロマンス」という名曲。
メロの柔らかなポップさからサビでパーッと開ける爽快なポップさへの最高の展開。
アウトロでキメるバンドサウンドのインパクトも強く、聴き終えてもしばらく頭から離れない。
時間にして3分ちょっとの曲だが、その間に与えた衝撃は半端なかった。
その名曲に誘われるようにアルバム「SAD COMMMUNICATION」を聴いたら、更に衝撃を受けた。
一曲目「遠くへ行きたい」のポップさと歌謡曲テイストが絶妙に絡み合う名曲に魅了され、「みそじれーしょん」の独特な言葉が印象に残りつつも自然と伝わる詩の内容に惹かれたかと思えば、上述の「ロマンス」がポップな方向に一気に弾けさせる。
「すみっこがかり」、「宇宙」、「ギルティ」と心の奥の感情を自然なポップさで聴かせてくれつつ、「ステマステル」という驚異的なポップナンバーでまだまだ聴き手を惹きこんでいく。
「キラーサンセット」の駆け抜ける疾走感にわずかな感情の抑揚を詰め込み、少し違った印象を持たせてくれたかと思えば、「30」というリアリティのある言葉で感情を揺さぶり、「新世界」の少なくも大きな意味を持たせた言葉が全てを包み込む。
ここまで本当に一瞬に感じる内容。
それは一曲一曲が短いということもあるが、それ以上に次々に来る感情とポップさの波に自然と浸ってしまっていることのほうが大きい。
それくらい充実した内容の一枚。
良いアルバムだ。