初出からほぼ50年やっと正規盤の登場!
トスカニーニ・メモリアル・コンサート1957
ワルター、ミュンシュ、モントゥー三大巨匠の共演
ニューヨーク・パブリック・ライブラリーのマスターテープから初の復刻
「75年に及ぶ彼の音楽生活は偶像であり、他の演奏家にとっては脅威でもあった。」〜ブルーノ・ワルター
1957年1月16日。就寝中に大往生を遂げたトスカニーニ。2月3日にカーネギー・ホールで行われたのが「メモリアル・コンサート」。トスカニーニとも御縁が深かった三大巨匠(ワルター、ミュンシュ、モントゥー=登壇順)が、それぞれトスカニーニの十八番を振るという伝説の演奏会。オーケストラは旧NBC交響楽団であるシンフォニー・オブ・ジ・エア。トスカニーニが長らく応援していたミラノにある音楽家の老人ホーム「カーサ・ヴェルディ」への基金コンサートも兼ねていたことが解りました。
この度ニューヨーク・パブリック・ライブラリー所蔵のマスターテープからの商品化が実現しました。演奏内容の素晴らしさは言わずもがな。その上当盤の音質のダイナミック・レンジの広さは既出盤の比ではありません。カーネギー・ホールの豊かな響きがキッチリ収録されております。ワルター協会からのLP初出が1973年。ほぼ50年を経て初の正規発売となります。
ワルターは80歳を超えておりましたが、このコンサートの直前1月23日にはシカゴ響に客演。さらに2月17日にはニューヨーク・フィルとマーラーの『復活』を演奏、同時にスタジオ録音も行うという気力体力の充実が目覚ましい時期です。『英雄』は悠然としたテンポを基調としながらも繊細で効果的なテンポ変化を駆使。ティンパニの強打は凄まじく、宇野功芳先生が絶賛したことでも有名。この名演は直前にマルケヴィチが同オケを指揮していた(録音セッション)からなどというまことしやかな説がありますが、有名な第3楽章ホルンのトリオなど最初は低く(小さく)、次は高く(強く)という、進軍が遠くから近づいてくるような絶妙な指揮ぶりはワルターだけです。演奏後の聴衆の拍手を制する姿も感動的。
ミュンシュの『海』。その豪快さに圧倒されます。音色の艶やかさには目も眩むよう。練習嫌いと言われておりますが、客演オケでもいつものビュンと矢を射るような音の突き刺さり方はどこでも徹底しております。
モントゥーのしみじみとしか言いようがない『エニグマ』。ゆったりしたテンポで、渋い悲しみを籠めた名演です。
同じオケを同じ日に振ってこの明らかな音色の違い。つくづくこの時代の大指揮者は自分の音楽の理想がはっきりしていたものだと感慨無量です。(メーカー資料より)
【収録情報】
『アルトゥーロ・トスカニーニ・メモリアル・コンサート』
● ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』/ブルーノ・ワルター(指揮)
I. 15:05
II. 15:47
III. 5:46
IV. 11:38
● ドビュッシー:交響詩『海』/シャルル・ミュンシュ(指揮)
I. 9:06
II. 6:32
III. 8:02
● エルガー:エニグマ変奏曲/ピエール・モントゥー(指揮)
Theme (Andante) 1:08
Variation I. L'istesso tempo - C.A.E. - 1:39
Variation II. Allegro - H.D.S-P. - 0:45
Variation III. Allegretto - R.B.T. - 1:16
Variation IV. Allegro di molto - W.M.B. - 0:26
Variation V. Moderato - R.P.A. - 1:47
Variation VI. Andantino - Ysobel - 1:17
Variation VII. Presto - Troyte - 0:56
Variation VIII. Allegretto - W.N. - 1:38
Variation IX. Adagio - Nimrod - 3:39
Variation X. Intermezzo: Allegretto - Dorabella - 2:33
Variation XI. Allegro di molto - G.R.S. - 0:54
Variation XII. Andante - B.G.N. - 2:09
Variation XIII. Romanza: Moderato - * * * - 2:29
Variation XIV. Finale: Allegro Presto - E.D.U. - 4:36
シンフォニー・オブ・ジ・エア
録音時期:1957年2月3日
録音場所:ニューヨーク、カーネギー・ホール
録音方式:モノラル(ライヴ)