発売を知ってから、収録曲が記載されるまで楽しみで仕方ありませんでした。もちろん迷わず予約はしていましたが・・・。 初心者向きのベスト盤は長い活動休止中にも度々発売されましたが、再結成されてからは往年のファンをも喜ばせてくれるベスト盤が、通販専門の商品も含めて次々と発売されました。前作『歳時記』も「リズムもよろしく」や「おはじき」といったファン好みの曲やライブ音源をも取り入れ、この『40周年記念メモリアル』にも「いわし雲」「おひるねの季節」「もう人生の秋」など、今までのベスト盤には一度も収録されなかった名曲が収録されています。 特筆すべきは、30曲のうちシングル曲は10曲程度で、アルバムからも、天野さん、中村さん、平賀さんのリード・ボーカル曲がバランスよく選曲されている事です。初心者の方には「あの曲がない！」という事も起こり得るでしょうが、それは他のベスト盤で十分補えます。 ５周年記念の２枚組ベスト・アルバム「青春のかけら達」からファン歴35年の私でも、商品が届くのが待ち遠しいです。もちろん何十回と聴き込んだ曲ばかりですが、年代に関係なく並べられているため、新作を聴くような新鮮さもあります。こんなにたくさんの親しみやすい曲を遺してくれた故・天野滋さんにあらためて感謝しています。 あ、それから通販専門でも６月に２枚組のベスト盤「夏至（ホントは英語のタイトル）」が発売され、そちらにはまた「ぺんぺん草」等の名曲が収録されています。

初期の「あせ」や「夕暮れ時〜」、再結成後のアルバムや天野さんのソロからも選曲されており、久しぶりに聴きごたえのあるベスト盤です。４０周年メモリアル・ベストが発売されますが、シーズンズ・セレクションを今後もシリーズとして発売し続けて欲しいです。タイトルは「立冬」でも「啓蟄」でも、何でもけっこうです。

いずれもアルバムの最後に収録されている『去年の夏』『粉雪のささやき』『海辺に語りて』は、NSPのすべての楽曲の中でもBEST１０に入るフェイバリット・ソングです。『夕暮れ時〜』『雨は似合わない』に続いて発売された『お休みの風景』は、一枚物のベストにはなかなか収録されませんでしたが、『さようなら』『あせ』『夕暮れ時〜』といった代表曲よりも、愛おしい一曲です。