日本一長く服役した男

NHK取材班

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784781622163
ISBN 10 : 478162216X
フォーマット
発行年月
2023年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
336p;19

内容詳細

令和元年秋、1人の無期懲役囚が熊本刑務所から仮釈放された。日本で最も長い服役期間を経て出所したのは、80代のやせ細った男。出所後も刑務所での振る舞いが体に染みつき、離れないでいた。男はかつてどんな罪を犯し、その罪にどう向き合ってきたのか?男は何故、61年も服役しなければならなかったのか。更生と刑罰をめぐる、密着ドキュメンタリー。

目次 : 第1章 その男との出会い/ 第2章 偶然か、必然か 取材班結成秘話/ 第3章 プリゾニゼーションの現実/ 第4章 裁判記録、その入手までの長い道のり/ 第5章 日本一長く服役した男“誕生”の秘密/ 第6章 彼は「ありがとう」と唱え続けた/ 第7章 刑務官たちの告白 無期懲役囚と社会復帰の理想/ 第8章 遺族は今 母との思い出を辿って/ 第9章 もう一度、問いかけることができたなら/ 終章 “鏡”としての日本一長く服役した男

【著者紹介】
杉本宙矢 : NHK報道局ネットワーク報道部記者。1989年生まれ、埼玉県出身。早稲田大学文学部で西洋史を専攻し、早稲田大学政治学研究科では政治哲学を学ぶ(修士)。2015年に入局し、熊本局に赴任。自身の「生きづらさ」を元に幅広いテーマで取材する中、2017年以降、受刑者・非行少年の立ち直り支援を継続取材。勤続2年目に熊本地震に遭遇し、遺族取材にもあたった。2020年から現職で、WEB記事の特性を活かしたデジタル発信の取材・編集手法を探究するとともに、部署の垣根を越えた様々なプロジェクトに携わっている

木村隆太 : NHK福岡放送局記者。1992年生まれ、埼玉県出身。早稲田大学文化構想学部卒業。大学時代の2013年から2015年にかけて、中国・北京大学に留学。1年間、対外漢語学院で中国語を学んだ後、国際関係学院の学士取得。2017年4月にNHKに入局、初任地は熊本放送局。熊本で事件・事故をはじめ、再審無罪となった「松橋事件」のほか、新阿蘇大橋の再建など熊本地震からの復旧・復興や令和2年7月豪雨などを取材した。2022年8月から現職で、2023年6月現在、福岡県警担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • kinkin さん

    無期懲役で仮釈放されるまで61年間刑に服してきた男性を取材した本。61年間、というけれどその頃生まれた赤ん坊がが還暦を迎えるまでの間ずっと刑務所にいたということになる。現在では、無期懲役となり服役して仮釈放されるチャンスはほとんどないようだ。若い受刑者が置いた受刑者の入浴介助をすることが多いという。また若い時の刺青がたるんだ皮膚から見るとなんとも言えぬ気持ちにもなるという。今、闇バイトの強盗の犯人の多くは無期懲役になるだろう。彼と同じ人生を送るのか。図書館本

  • kawa さん

    殺人で無期懲役刑を受けた服役囚、80代にして61年ぶりに仮出所した。その様子をドキュメント番組(視聴済み)として制作したNHKスタッフによる取材記。被害者に対する贖罪の言葉を引き出したい制作スタッフ。が、意に反して出所者は「わからない」を繰り返し番組が企画通り仕上げられない。それが却って更なる問題提起として、受刑者の矯正や高齢化、出所後のフォロー体制等、をクローズアップさせる。

  • gtn さん

    強盗殺人により無期懲役となり、61年後仮釈放された男。 61年といえば、ジャイアント馬場や千代の富士の享年と同じ。保護施設での生活や贖罪の意識を問うても「分からない」を繰り返す。当初は罪の意識に苦しめられたに違いない。それから逃れるための"忘失"と取る。仮釈放された別の者へのインタビューで、更生に必要なものは、本人に"変わりたい"という気持ちがあるかどうかであり、その気持ちを維持するために必要なのが「信仰」と述べる。同感。哲学がなければ生きる意味を悟れず、漂う。

  • 遊々亭おさる さん

    熊本刑務所に収監されていた無期懲役囚が仮出所した。収監されていた期間は61年。人生の大半を塀の内側で過ごしてきた男は自由になった身で何を思い、どう過ごしてきたか。罪と罰の在り方、被害者遺族の思い、償いの意味、刑務官の心情、仮出所した者を支援する立場の人間の苦悩、世間の処罰感情、人間は一筋縄ではいかない動物。被害者遺族が抱える複雑な心境が特に心に残る。長く服役したからといって加害者が反省しているかは分からない。その加害者本人でなければ。答えの無い複雑さを人は生きていく。単純明快な答えに飛びついてはならない。

  • marumo さん

    61年服役して83歳で仮釈放、その後支援施設実質老人ホームに引き取られ1年ほどで死亡した男性。日本には終身刑がなく、また無期懲役とは仮釈放が保証されているわけではなく、現在30年くらいの懲役が普通で仮釈放も割と棄却されるそう。不幸な生い立ちとはいえ強盗殺人を犯したというのに、長い服役の中で精神を失調したり、認知機能が衰えたりで、何を聞いても「わからん」の一点張り。改悛するほどの知能、感情も磨耗した様子で「更生」の証が欲しい記者のガッカリ感が伝わって来る。特異な状況に見合わない平板な感情に滅入ってしまった。

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