N.E.R.Dのセカンドアルバム『FLY OR DIE』は、『IN SEARCH OF…』で成し得なかったことを完遂させている。「大いなる進化だよ、マジだぜ」とシェイ。「『IN SEARCH OF…』で到達したのは、音楽と人生に対する全体的な次元だ。でも、あれはただの始まりだったのさ。このまた別の次元へと開かれた扉だったにすぎない。そしてこのアルバムでそこに到達したんだ」
音楽的な観点から見ると、『FLY OR DIE』は前作の自由奔放な感性を持っている。ネプチューンズのヒットメイカーとしての才能で正しく評価されていない最たる点は、立て続けのヒット曲で聴かれるそのメロディと職人芸の曲作りだ。単純さのなかにある複雑さ。『FLY OR DIE』に収められた曲には、クラシックロックやビートルズっぽいポップスから、昔のファンクやニュー・ウェイヴまで、三人に影響を与えた音楽が表れている。そこで真の影響力を持っているのは音楽的なスタイルであって、昔に回帰しようとする行動ではないのだ。
もともと『IN SEARCH OF…』は、ネプチューンズが他のアーティストのためにプロデュースした曲でおなじみのデジタルサウンドで彩られていた。N.E.R.Dがネプチューンズとは別物だということを突き詰めれば、サウンドだって異なるはずだ。そこで彼らはそれらのトラックを放棄し(後に英国のみで発表された)、ネプチューンの所有するスター・トラック・レコーズからスパイモブを抜擢して、新しいサウンドを作り上げた。生演奏の楽器は『FLY OR DIE』でも聴かれるが、そこにはスパイモブはいない。今回、楽器の後ろにいるのはファレルとチャドだ。「いつも僕らの作品では自分たちで楽器を演奏するんだけど、それを最終トラックでプログラミングに変換しているんだ」とチャド。「『FLY OR DIE』では、自分たちで楽器を弾いて、あのとおりに残すことにした。そのほうが現実に即しているし、僕らのこういう側面はまだ知られていないからね」