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Disc 1 国民の創生
アメリカ映画史において「国民の創生」は真の意味での最初の超大作映画として金字塔を打ち立てた傑作である。1908年から1913年まで、D・W・グリフィスはバイオグラス社で数多くの短編映画を監督し、数百本のこうした短編映画の中で映画における数々の実験を行ってきた。「国民の創生」はいわばそれらの集大成であり、そしてまたグリフィス自身がこの後に向かうべき道を決定付けた作品となった。
南北戦争を中心としてアメリカ合衆国という国家の誕生を描いたこの作品はまた、アメリカ映画における最初の国家的な、映画による叙事詩でもあった。アメリカという国、そしてアメリカ国民のアイディンティーティーを描いた、恐らく「風と共に去りぬ」が作られる以前の、最もよく知られた映画がこの「国民の創生」だった。しかし同時にまた、この映画はアフリカ系アメリカ人を差別的に描いているとして、公開当初から全米各地で上映禁止や上映ボイコット騒ぎを起こしたことでも、極めてよく知られている。「国民の創生」はアメリカ映画芸術の一つの到達を記すと同時に、アメリカの抱える一つの現実が作り上げる偏見が横たわっている悪名高き作品でもあった。
物語は南部のキャメロン家と北部のストーンマン家という二つの家を中心に進行する。南北戦争が北軍の勝利に終わった後、南部における人種平等政策を進める政治家ストーンマンは力を握る。南北戦争後の再統合の時代の混乱の中、キャメロン家の末娘が黒人から追われ逃げるさなかに死んでしまう。妹の復讐を誓ったキャメロン家の長男は、KKK団を組織する。 人里はなれた小屋に立てこもり、黒人兵たちに周囲を取り囲まれたキャメロン家の人々は、危機一髪のところでKKK団に救われる。
物語はトーマス・ディクソンの小説「クランズマン」と「豹の斑点」および「クランズマン」を舞台化した同名の劇に基づいている。20世紀初めに書かれたディクソンの小説はアフリカ系アメリカ人に対する偏見を反映しており、またこれらを映画の材料として用いたグリフィスは決して人種差別主義者ではなかったにもかかわらず、こうした誤ったものの見方をあまりにもナイーヴに取り入れている。
だがそうした点を考慮に入れつつも、映画芸術としての観点で語るならば「国民の創生」はアメリカ映画史上非常に意味ある作品であり、この作品について言及せずしてアメリカ映画の歴史について考えることはできないだろう。グリフィスは映画を単に物語を語る為の手段とだけみなしてはおらず、アメリカ映画の歴史を再現する手段とも考えていた。それは記念碑的な巨大さを持ち、巨大なフレスコ画のような壮麗さを持つ。
1914年に製作された「国民の創生」は翌1915年に公開された。この最初の公開版プリントは現在まで残されてはいない。この映画は1921年に再公開されるが、現在残されているプリントは再公開以降のものである。本DVDに収録されているのはその中でも最も完全なプリントである。また伴奏音楽として用いられているのは1915年にこの映画のために準備された、ジョゼフ・カール・ブレイルのスコアである。
Disc 2 グリフィス短篇集 日本初ソフト化!
D・W・グリフィスは1908年から1913年にかけてニューヨークのバイオグラフ社で500本近い短編映画を監督しているが、本ディスクにはそのうち5短編を収録する。いずれも日本初ソフト化となる。『封印された部屋』(09)は寸劇風の怪奇趣味映画、『小麦の買占め』(09)はフランク・ノリスの原作に基づき、独占資本家と貧困農民を対比する社会派映画。『境界州にて』 (10)と『彼の責務』 (11)は南北戦争を背景とし、『国民の創生』との関連が興味深い。 『息子のために』(12)は麻薬の危険を訴える啓蒙映画である。
『封印された部屋』(The Sealed Room/1909/12分)
『小麦の買占め』(Corner in Wheat/1909/14分)
『境界州にて』(In the Border States/1910/15
『彼の責務』(His Trust/1911/14分)
『息子のために』(For His Son/1912/15分)
Other Editions
Footage
Disc 1
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・ 国民の創生
Disc 2
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・ 封印された部屋
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・ 小麦の買占め
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・ 境界州にて
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・ 彼の責務
-
・ 息子のために
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