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『ベン・ハー』―ウィリアム・ワイラー監督による忘れ難き叙事詩的スペクタクル。チャールトン・ヘストン主演、1959年にアカデミー賞®で作品賞、主演男優賞、監督賞ほか、計11部門受賞と、最多受賞で記録を塗り替えた。同作品は「ベン・ハー 製作50周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション」として初ブルーレイ化。11月2日、ワーナー・ホーム・ビデオより発売予定。
本作を伝説たらしめたそのスケール感は後世のフィルム・メーカー達のインスピレーションとなった。「50年もたつのに、フィルム・メーカーや専門家たちはあの映画に畏敬の念を抱いている」と、「ベン・ハー」のドキュメンタリーを作ったゲイリー・レヴァは言う。
リドリー・スコット、アーネスト・ディカーソンなどの監督達がワイラーの作品に影響され、後に見習ったという。技術が発達した今日でも、どのようにして撮ったのか、未だに解明できないシーンもあるそうだ。『グラディエーター』を監督したリドリー・スコットは、(グラディエーターの)撮影に使ったアリーナは、それでも『ベン・ハー』のあの有名なチャリオット・レースのシーンで使ったものの6分の1のサイズにすぎなかったという。巨大な楕円形のアリーナには素晴らしい建築や彫刻が施され、制作に1年もかかった。
今回のリリースにあたり、『ベン・ハー』はレストレーション(修復・復元)されており、その費用は100万ドル。もともとは65mmのフィルムだが、これをフレームごとに8Kでスキャンしている。ワーナー・ブラザース・スタジオによる最も解像度の高いレストレーションとなる。
「このレストレーションには何年もかけている。当初は50周年の年となる2009年にリリースしようとしていたのだが、細部にわたる作業は予定よりも時間がかかった。一番の目的は、可能な限り上質なものをお届けすることだった。最終的には上手くいったと思う」と、ワーナー・ホーム・ビデオのエグゼクティブ・バイス・プレジデント(シアトリカル・カタログ部門、ジェネラル・マネージャー)、ジェフ・ベイカーが言う。
『ベン・ハー』はここ1年間保留となっていたが、ようやくリリースする運びとなった。アルティメット・コレクターズ・エディションには6時間強の特典があり、撮影中にチャールトン・ヘストンが綴った日記のレプリカや、フォトブックレットなどが入っている。
「イタリアでの撮影中に撮られたヘストン家のホームムービーも新たに発見されており、撮影の舞台裏が見られる。レストレーションが目玉でなくなってしまうくらいだ。この類では現存する唯一の映像とされており、歴史的な発見だ。ローラン・ブーゼローとチャールトン・ヘストンの息子、フレイザーがこの映像をドキュメンタリーに取り入れてくれているが、この上なく嬉しいね。このドキュメンタリーはこのセットにしか入っていないのです」
また、ファンならきっと「撮影前、撮影中、そして撮影後に何を考え、何を感じていたかが分かる」というヘストンの日記に夢中になるはず、という。
「日記はオリジナルのレプリカだ」と、ベイカー。「ヘストンの言葉を綺麗な白紙に移し替えたわけではない。色あせた紙や書き間違えもそのままオリジナルを再現したものである。できる限り本物感を保ちたかった。記念となるコレクター品です。俳優の日記を商品に入れ、プライベートを堪能させてくれるブルーレイは、これが初めてだ。しかも、ヘストンは伝説のオスカー®俳優だ」
ベイカーの在任中、ワーナーは多数のクラシック作品のアルティメット・コレクターズ・エディションを制作してきているが、彼はこう言う:「今回のパッケージは、美的にも、歴史的コンテンツがたくさん入っている点でも、オリジナリティの面においても、ワーナーのみならず、他のスタジオにとっても新たなゴールドスタンダードになるでしょう。劇場で初めて見た『ベン・ハー』は誰もが語る思い出である。そして50年経った今、ブルーレイで、HDリストレーションされた最高品質の『ベン・ハー』が観られる。ホリデイプレゼントには持ってこいだ」
初期段階で試写に参加したフレイザー・ヘストンはベイカーに一筆書いた:「こんな素晴らしいレストレーションを見るのは初めてです。人生を変えるような素晴らしい体験でした。まるでワイラー監督と一緒に観る初号試写のようだが、それよりも素晴らしい。
映像は鮮明でシャープだが、他のHDバージョンに見られるようなギザついた感じはない。ピクセルではなくフィルムの感触が伝わってくる。色は鮮やかだが、抑えるところは抑えており、やりすぎた感じはない。特に黒味が素晴らしかった。サウンドトラックも、ダイアログが綺麗に拾われており、スコアも豊かな音色で、効果音もクリア。それだけでも聞き応えがありました。早く友人や家族に見せたいです」
【第32回アカデミー賞®受賞】
■作品賞
■主演男優賞:チャールトン・ヘストン
■助演男優賞:ヒュー・グリフィス
■監督賞:ウィリアム・ワイラー
■撮影賞(カラー):ロバート・L・サーティース
■劇・喜劇映画音楽賞:ミクロス・ローザ
■美術監督・装置賞(カラー):WilliamA.Horning美術/EdwardC.Carfagno美術/HughHunt装置
■衣装デザイン賞(カラー):ElizabethHaffenden
■特殊効果賞:A.ArnoldGillespie視覚/MiloLory聴覚/RobertMacDonald視覚
■音響賞:FranklinE.MiltonMetro-Goldwyn-MayerStudioSoundDepartment
■編集賞:RalphE.Winters/JohnD.Dunnin
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