なにより鮮烈だったのは、彼女はブラック・ミュージックに影響を受け、身体や魂の隅々に染み込んだ、新しい世代のシンガーだったことである。海外では前に述べたFugeesのローリン・ヒルのソロ作が爆発的にヒットしていたこと、エリカ・バドゥの鮮烈なデビュー作Baduizmの大ヒット、メアリー.J.ブライジの3年ぶりのアルバムShare My Worldのリリースなど、次々に大物女性R&Bシンガーが話題になっていたことと、クラブシーンが再び盛り上がり始めていた時期と重なって、日本でも充分な受け皿ができていた。そこへ彗星のごとく現れたのが、Misiaである。
2002年に入り、まさかのレーベル移籍!これが結果的に大ヒットアルバムMisia Greatest Hits を生むことになるのだが、今作は一家に1枚のほんとに名盤。どの曲を聴いてもはずれなしの、さすがグレテストヒッツという内容。当然、超ロングヒット。その作品がリリースされる前に果てなく続くストーリーもリリース。彼女らしい包み込むようなバラード。またキリンのCMソング+ドラマ主題歌というダブルタイアップ曲眠れぬ夜は君のせいをリリース。そんな大ヒットシングルを収録したアルバムKiss In The Skyが2002年6月に発売。2002年はこの2枚のアルバムによって年間チャートでも10位以内に2枚とも送り込むという偉業を成し遂げた。