１曲目のイントロを聴いた瞬間から、この先楽しいことが待ち受けてる期待感が高まった。技術的に優れているとか革新的なモノがあるわけではないが、サイケポップでありながら、ノスタルジックでスペイシー、そこにオリエンタルの風が少し吹く

このアルバムにキラートラックは存在しない。ド派手なインパクトを残す作品にもならない。ただフワフワ漂う掴み所のない気持ち悪さがクセになります。サーフロック？サイケ？ポップ？そのどれも当てはまり、そのどれも当てはまらない。

音への情熱が四方八方に飛び散った３Ｄアルバム。 クネクネッと疾走するさまは恋する乙女の様に甘く苦く輝かしい！

やっぱMGMTはMGMTだわ。 真夜中の虹色の海の深くを漂いながら最高にハッピーな悪夢を見ている。そんなアルバム。 やがて太陽が昇り、 朝はやってくる。 そして大海原は 虹色に輝く。 最高。 因みにこのアルバムはエレクトロというよりバンドサウンド思考。今では５人のバンドとしてインタビューに応じているし、本人達もジュリアンコープからの強い影響を認めている。

相変わらずいたずらっぽい少年のようなサウンドは健在。アルバムを聞いているとなにかやさしくなれる。曲の組み立て方が今まで体験したことの内容な作品で、聞いているとわくわくさせられる。前作とは方向性は異なると思うがmgmtワールドは続いていると思う。自分は好きな作品。外の白いステージで聞きたい。

柔らかな極彩色のオーロラに包まれた夢幻のエレクトロサイケワールドをふわふわふわふわと。歓びと祝福の音響。2010年という時代を象徴する音、名盤だろうと。

Lady Dada’s Nightmareなんて曲が入ってるから買わないわけにはいかなくなってしまった。でも1曲目を聞いた瞬間買うべきCDだったのかも？という思いが生まれて、ラストCongratulationsを聞き終えたときには確信に変わりました。これも買って損はなし。しかし2010年は音楽シーンがにぎわってて素敵。

色とりどりの柔らかなオーロラに包まれた夢世界の中で舞い踊り、優しく抱擁されるような心地よさ。そんな開放感と幸福感、そして未だ見ぬ希望、この世の閉塞を打ち破り、天空の楽園から響き渡る至福の音響。ジャンルこそ違えど、OUTKASTの「THE LOVE PILLOW」アルバムにも似た感触。私の堅い頭を柔軟にほぐし、夢見心地にトリップさせてくれた快作。

すごいな ８０年代『Queen Is Dead』 ９０年代『Automatic For The People』 ００年代『Is This It』 １０年代『Congratulations』 みたいな スミスが憂鬱な、R.E.M.が暗くても美しい音楽を９０年代から主流にしたし、ストロークスが００年代にガレージを主流にした MGMTはエレクトロサイケを１０年代の主流にできるかなぁ？

ﾌﾜﾌﾜしてｼﾆｶﾙで茶化す様で愛らしくどこか淋しい1stのMGMTも好きだった。本人達もまさかあんなにﾒｶﾞﾋｯﾄを飛ばすとは思わなかっただろう。皮肉っていた場所に自らが立ち苦悩もあったと思われるが、全て取り去り原点に、ｼﾝﾌﾟﾙに。そんな彼らの心意気が伝わってくる2st。まさかMGMTがここまでなるなんて。｢ﾌﾞﾗｲｱﾝｲｰﾉ｣など遊び心も忘れない。大傑作!