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ベケット伝 下巻

J.ノウルソン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560047668
ISBN 10 : 4560047669
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2003
Japan

Content Description

ベケット自身に認可された唯一の本格的な伝記。下巻では、1953年に初演された「ゴドーを待ちながら」の演劇界での反応、そして1989年に行なわれた葬儀の様子までを、友人たちの証言と膨大な資料で追う。

【著者紹介】
ジェイムズ・ノウルソン : 1933〜。サミュエル・ベケット(1906‐89)研究の世界的権威。20年以上友人だったペケットは彼について、「わたしの作品を一番よく知っている人だ」と言った。英国レディング大学の仏文学教授を長く務めるかたわら、同大学ベケット文書資料室(現在、ベケット国際財団)を創設、研究雑誌Journal of Beckett Studiesを創刊するなど、ベケット研究の発展に努めた

井上善幸 : 1958年生。関西大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。明治大学教授。英文学・観念史専攻

岡室美奈子 : 1958年三重県生。国立ダブリン大学大学院アングロ・アイリッシュ文学・演劇専攻博士課程、早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、早稲田大学助教授、現代アイルランド演劇、演劇学専攻

高橋康也 : 1932年東京都生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授、昭和女子大学教授。英文学専攻。2002年6月24日逝去

田尻芳樹 : 1964年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学助教授。イギリス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ケイトKATE

    1953年『ゴドーを待ちながら』を成功させたべケット。ようやく生活に安定を得たが、上っ面な持ち上げには冷ややかな態度を示し、1969年のノーベル賞授賞式を欠席した原因の一つだった。私生活では、年上の妻シュザンヌの存在が大きかった。シュザンヌは肝の座った女性で、女好きで不倫をしていたべケットに対して、嫉妬どころか関心も示さなかった。そんなシュザンヌに頭が上がらなかったべケットは、別れずに戻っていった。内向的で頑固だったべケットは、気に入らないことがあると、相手を許さず仲違いすることが多かった。(続く)

  • 袖崎いたる

    ベケットの人生の追跡行、後篇。こちらでは成功者としてのベケットが手に入れた、いや取り憑かれてしまった名声に翻弄される、苦悩する姿が見られる。作品は売れるけど、それに伴って権利やら人間関係やらで疲弊する彼の姿からは、売れても売れなくても表現にはなんらかの苦悩が付きまとうことが察せられる。ソール・ベローの『フンボルトの贈り物』に夢中になったというのも、そうした背景あっての事かもしれない。そんな中でもノーベル賞の式典に出なかったり、戯曲がねじ曲げられようとした時にマジギレするなど、我を通す姿もある。大した人物だ

  • エンピツ地獄

    いろいろわかってすっきりいんちきやろうの話には耳を貸さぬこと金輪際

  • rinrin

    【BOOK-72】H

  • 白いハエ

    「ゴドー」以降、「名声に堕した」ベケットはその人気を拒むように創作に打ち込む。小説、演劇、テレビ、映画、ラジオ……その作品群が惨憺たる努力の成果に産み落とされたのだと思うと、途方もない気分になる。ノーベル文学賞受賞を「災難」と見なして、ひそひそ隠れる姿は実にベケット的で面白い。そんな晦渋な性格であるにも関わらず、彼は交友を拒まず、明らかな無心でも「だまされている」ことを承知で施しを与える。「ゴドー」の意図を「共生だよ」と言い切った彼らしい生き様である。5頁以上に渡る怒濤の謝辞に愛された作家の姿を見た。

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