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ハイ・ライズ 創元sf文庫

J.G. Ballard

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488629151
ISBN 10 : 4488629156
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ロンドン中心部に聳える,知的専門職の人々が暮らす新築の40階建の巨大住宅。1000戸2000人を擁しマーケット,プール,体育施設から銀行,小学校まで備えたこの1個の世界は10階までの下層部,35階までの中層部,そして最上流とされる40階までに区分されている。その全室が入居済みとなったある夜に起こった停電をきっかけに,建物全体を不穏な空気が支配しはじめた。3か月間にわたる異常状況を,中層の医師,下層のTVプロデューサー,最上階に住むこのマンションの設計家が交互に語る。中期の傑作。


【著者紹介】
J・G・バラード : 英国を代表する作家。1930年、上海生まれ。SFの新しい波運動の先頭に立った。2009年没

村上博基 : 1936年生まれ。東京外国語大学独語科卒。2016年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    J・G・バラード中期の代表作の一つのようだが、SFではない。ロンドン中心部に建てられた40階建ての高層アパートの住民たちを描くのだが、たしかに架空の情景であり装置なのだが、そうした状況に人間(この場合、ほとんどは高学歴、高収入の人たち)を置いてみるといった、ある種の実験めいた小説である。ただ、1975年の作品にしては、40階建てがとんでもなく高層ビルのように描かれているところが不思議だ。また、居住階によって生じるヒエラルキー(上層階ほどヒエラルキーも高い)というのも、そうなのだろうかという思いが残る。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    再読。社会から切り離されても完全に生活できるように管理された高層マンション。もし、そこで人間が社会的に暮らせない程の不具合が起きたら?「出ていく」というのは簡単だ。問題は、人は自分がある程度の労力、費用、時などのコストを掛けたモノ程、失いたくないという事だ。失いたくないなら環境に適応する方が簡単だ。それは悍ましいかもしれない。でも停電前のスカシているが爆発寸前な環境より、混沌としているが統制が利いた野生性に安らぎを覚えてしまう。最も、ラストでラングがアリスやエリーをモルヒネ漬けにさせてるのはどうかと思うが

  • HANA

    今までバラードは「クラッシュ」や「殺す」くらいしか読んだ事はなかったのであるが、本書もその系譜に連なる一冊。一つの出来事が切っ掛けとなって物事がどんどん悪い方向に転がっていく話はよくあるけれども、これはそれだけに留まらずむしろ形而上学的な方まで話が膨らんでいくように思えるなあ。粗筋読んだ時は階級社会に対するアンチテーゼかと思ったけど、それも一時だけでそういうものはすぐに超越しちゃってるし。何となく神話じみた最後といい、社会問題だけではない人間の業的な何かを指示された気もする。いや、非常に面白かった。

  • syaori

    舞台はスーパーや小学校を備えた高層マンション。物語は、そこに暮らす上品な人々に上層と下層の対抗意識が新たな社会秩序をもたらすさまを、それが他人に関与せず自足して生きる彼らを水平方向の派閥に結び付け暴力と放埓がマンションを荒廃させてゆく様子を追ってゆきます。最後に人々はまた「孤絶状態」に戻ってゆき、しかしそれは最初とは全く違った食べ残しなど自分の老廃物に囲まれた親密な空間で、それがテクノロジーに疲弊した未来世界にも擬されるのですが、それを胎内でまどろむような、ある種の恍惚の内に描く作者の世界を楽しみました。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    どこを探しても見つからなかった幻の絶版が、トム・ヒドルストン氏主演の映画化を機に復刊。住民が高給取りのインテリのみで選別され、全てが揃い、完結しているが、他の社会から孤立している高層住宅。だが停電を機に密かな階級制度に苛立つ人々の心は「野蛮」に帰っていく・・・。この作品は無菌状態の高級住宅地で起きた殺戮と児童失踪の真相を描いた『殺す』の原型とも言えるだろう。最後に犬を中庭から解放したアンソニーに私はどうしても苛立ちを覚えてしまう。創造主故の傲慢さと全ての創造物が性善説と理性で動くという軽率さが透けて見える

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