Brigador Pedoro Amorim E Paulo Cesar Pinheiro

2009年のブラジル音楽を締めくくる新星女性歌手登場！

ブラジル音楽ファンの皆さん、お待たせいたしました。いまブラジルのサンバ通の間で＜今年最高のサンバ・アルバム＞と噂されている作品が日本発売されることになりました。

歌うイレッシは、これがデビュー作。10年ほど前からラパのライヴ・ハウスなどで歌っていたようですが、一般的にはまったく無名の若い女性歌手です。そんなうら若き女の子がいきなりアルバムを録音し、これほどすばらしい歌声を楽しませてくれるのだから、ブラジル音楽もまだまだ捨てたものではありません。

イレッシのキャリアはいまのところ届いていませんが、おそらくリオ・デ・ジャネイロの出身。女性歌手で故ラファエール・ラベーロのお姉さんでもあるアメリア・ラベーロが後進の指導のためにやっていた歌謡教室の生徒さんだったのだそうです。この学校では他にもマウリシオ・カリーリョがギターを教え、ルシアーナ・ラベーロがカヴァキーニョを教えています。そんな学校の優等生だったイレッシは、学校で知り合った仲間たちや先生たちをも巻き込んでレコードを作ることを計画します。そうして２年前の2007年に吹き込んだのがこのアルバム。なんと、現代最高のサンバ詩人パウロ・セザル・ピニェイロがショーロのバンドリン奏者ペドロ・アモリーンと共作した作品ばかりを集めた内容となりました。

そんなわけで伴奏メンバーの中心は若手たち。そこにマウリシオ先生やルシアーナ先生たちがちょこっとだけ参加します。さらにゲストとして作者のペドロ・アモリーンやアメリア先生も参加。そうそう、あのクリストーヴァン・バストスもピアノとアコーディオンで参加しておりますが、これは奥方であるアメリア先生に尻を叩かれたのでしょう。

ここでのイレッシはまさにやる気いっぱい。これほどピチピチした歌声が楽しめるサンバ・アルバムは近年でも珍しいかもしれません。若手を中心とした伴奏も躍動感にあふれ、パゴージ・アルバムなどとはもちろん、近年のラパ関係のサンバ・アルバム以上にウイウイしさに溢れます。中盤で楽しめる北東部風のリズムの曲もアクセントになって、最後まで飽きさせない構成も見事です。

2009年の最後に未来のブラジル音楽を予見させるサンバ・アルバム。すべてのブラジル音楽ファンにお勧めします。

（メーカー資料より）