Zawose Family: Small Things Fall From Baobab Tree: バオバブの木からの

サカキマンゴーのお師匠さんとしても知られるタンザニアの至宝、フクウェ・ザウォーセ。1960年代からタンザニア独立の英雄ジュリアス・ニエレレ大統領の誘いで国立舞踏団のメイン・プレイヤーとして活躍。誕生したばかりの若い国家だったタンザニアの文化的アイデンティティの確立に大きく貢献しました。日本でも、来日したときの録音（ビクター）や、弊社から配給された『マテソ』ですっかりお馴染み。大型親指ピアノ＜イリンバ＞の名手であり、七色の声と評される素晴らしい歌声を含めて、まさに東アフリカを代表する音楽家でした。

本作は、2003年12月30日に亡くなったザウォーセが生前に地元タンザニアにおいて自身のファミリー・グループとともに残した貴重音源。没後４年を経過した2007年にザウォーセ・ファウンデイションからリアルワールドを通じてリリース、ただし自主配給だったため、リアルワールド経由では配給されず、日本にもごく一部しか入荷しなかったいわくつきの１枚です。
ザウォーセが残したアルバムは海外での録音が中心でしたが、これはそうではなく地元録音。レコード会社からの制約も一切なく作られました。しかも地元だけあって、自らのファミリーが総動員。海外公演には一緒に行くことはなかった子供たちまでコーラスで参加して、なんとも清々しく可愛らしい歌声を楽しませてくれます。もちろんザウォーセ師匠も大奮闘。お得意のイリンバをはじめ、弓奏楽器のイゼゼ、各種打楽器アンサンブルと子供たちのコーラスをバックに、あの変幻自在なザウォーセの７色ヴォイスをたっぷり楽しませてくれます。リアルワールド制作のアルバムとはまったく違うナチュラルな音楽性。聞いていてこれほど清らかな気分になる音楽はメッタに存在しません。