One Cell In The Sea

シアトル生まれ、ロサンゼルス育ちの22歳の女の子、アリソン・シドルが作り出すア・ファイン･フレンジー。この名はシェイクスピアの真夏の世の夢の一文から取られた。演劇の先生であった両親から深く影響を受け、CWニコル、ルイス･キャロルといった作家を愛読する彼女の曲作りには、物語的要素が強く表れている。レディオヘッドやキーンといったＵＫロックから、エラ・フィッツジャラルド、エルトン･ジョン、ルイ、アームストロング、ビートルズなどクラシックやモータウンまでその幅広い音楽趣向は、ケート･ブッシュ的独特な雰囲気を作り出す。催眠にかかったようやピアノアレンジにクラシックなアメリカン･メロディーを合わせ、不安を引き起こすような、取り付かれたような、美しいさをかもし出す。

2006年ロサンゼルスの家の近所にあるバーバンクでレコーディングを行ったデビュー･アルバム、『One Cell In The Sea』はルーカス･バートン（ジェームス･ブラント、ポール･マッカートニー）によるプロデュース。いつものバンド･メンバー、スティーヴン・ルブラン（キーボード）とダックス・ニールセン（ドラム）に加え、ベースにハル・クレイギン（イギー･ポップ）、著名なストリング･アレンジャーノデイヴィット・キャンベル（ベック）、ギターにダイヴ・レッヴィタ（アラニス･モリセット）、マイケル・チャヴェス（ジョン･メイヤー）、ドラムにジョーイ･ワロンカー（ベック、R.E.M）もアルバムに参加している。