エンヤ久しぶりのオリジナル・フルアルバムだが、この人はいい意味で変わらない
人だな、と感じた。ポップ、クラシック、故郷アイルランドの民族音楽など様々な要素を融合して作り上げた、荘厳にして透明感に満ちた流麗な音楽。といって新しい要素に目を向けていないわけではなく、四つ打ちのリズミカルなナンバー『Even In The Shadows』にはコールドプレイなど若い世代のアーティストから受けた影響
が感じられる。自分の基本的な音楽世界を壊さない範囲でなら、新しい要素を受け入れる度量も備えているのだ。ジャケ写の表情にはさすがに年齢(54歳)を感じさせもするが、「癒しの歌声」は健在であり、安心してエンヤの世界に浸りきることができた。