CD 輸入盤

ロリン・マゼール・コンダクツ・クリーヴランド管弦楽団〜コンプリート・CBSマスターワークス・レコーディングス(15CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
19802819982
組み枚数
:
15
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
限定盤,輸入盤

商品説明


名匠ジョージ・セルの精神を継承し、クリーヴランド管弦楽団を世界的な存在へと押し上げた
ロリン・マゼールのCBS録音を集成。世界初CD化・初発売音源収録。
クリーヴランド管弦楽団全面協力。完全生産限定


1972年、ジョージ・セルの逝去以来2年間空席となっていたクリーヴランド管弦楽団の音楽監督に就任したロリン・マゼール。当時42歳のマゼールにとってアメリカのオーケストラの常任ポジションに就くのはこれが初めてのことでした。彼は1982年の退任まで10年間にわたって、セルによって確立され、アメリカの「ビッグ・ファイブ」の中でも卓越した地位を築いていたクリーヴランド管弦楽団のイメージを磨き、そのクオリティを維持・発展させました。
 マゼールはクリーヴランド着任後、それまでウィーン・フィルと多数の録音を行っていたデッカに録音を開始し、プロコフィエフ『ロメオとジュリエット』やガーシュウィン『ポーギーとベス』の史上初の全曲盤を始めとする話題盤を続々リリースし始めました。マゼールがCBSマスターワークスとの録音契約を結ぶのは1976年のニュー・フィルハーモニア管とのブラームス『ドイツ・レクィエム』と『アルト・ラプソディ』からで、クリーヴランド管弦楽団とは、1977年の『英雄の生涯』(ティスク2)でCBSに録音を開始しています。日本では辰巳四郎による重厚な騎士のイラストがジャケットに使われ、岡本太郎がオビの題字を書いたことで大きな話題となったアルバムで、マゼールによるCBSでの存在感を大きくクローズアップしました(今回のセットではアメリカ初出LPのアルバム・デザイン)。
 このボックスの中心的な位置を占めるのが、マゼールにとって唯一のセッション録音となったベートーヴェンの交響曲全集でしょう(ティスク3〜9、1977〜78年録音)。オーケストラの機能美を十全に生かしつつ、オーケストレーションの改訂も含め、マゼールらしい濃厚な表情が一貫する刺激的なベートーヴェンで、アメリカでは1979年に全集としてリリースされたこのセットは批評家から絶賛されました。「音楽作りは、豊かで、激しく、心から熱烈なものだ」とニューヨーク・タイムズ誌は書いています。「第1番、第2番、第4番、第8番の交響曲は息を呑むほど美しく、第5番と第7番は本当にスリリングだ」。ハイ・フィデリティ誌の評論家は『田園』を「音色が澄み渡り、美しくグラデーションがかけられており、気品があり、リズムが心地よく弾んでいる」と絶賛しています。グラモフォン誌は第1番、第2番、第4番、第8番の交響曲を「クリーヴランドから期待されるような鼓舞的な直接性で演奏されており、第6番と第7番の優れた読み解きと、3つの序曲の際立った読み解きに導かれて、美学的に知的にも爽快な体験である」と評しています。第9番では、ポップ、オブラスツォワ、ヴィッカーズ、タルヴェラと当時最も脂の乗り切った名歌手を起用しています。
 1979年5月のR.シュトラウス『ドン・ファン』『ティル・オイレンシュピーゲル』『死と変容』(ティスク10)はCBSマスターワークスにとって初のデジタル録音となったアルバム。この録音のために日本のソニーからクリーヴランドにデジタル機材が運び込まれ、そのセッションの模様は作曲家の諸井 誠氏によってレポートされました。マゼールにとってはいずれも再録音で、『ドン・ファン』は「録音史上最もスリリングな演奏のひとつ」とペンギン・ガイドは評しています。
 1977年1月に録音されたベルリオーズの『幻想交響曲』(ティスク11)はマゼールの愛奏曲として知られています。第2楽章ではコルネット入りの版を使用し、2台のハープを左右に分けて配置して華やかなステレオ効果を狙い、さらには後半の2楽章を間髪入れず続けたり、テューブラー・ベルを際立たせるなど、鬼才マゼールがその手腕を余すところなく発揮した感があります。「『処刑台への行進』と『魔女の夜会』は、これほどまでに激しい咬み合いと衝撃を生み出し、これほどまでに恐ろしい悪魔的な響きを奏でたことはめったにない」(ハイ・フィデリティ誌)と高く評価されています。
 チャイコフスキーの後期交響曲3曲(ティスク13〜15)は1980年〜81年の録音で、マゼールにとってはウィーン・フィルとデッカに録音した全集以来の再録音となりました(第4番については、1979年に同じクリーヴランド管とテラーク・レーベルに録音していたため3度目の録音)。クリーヴランドとの再録音をレビューしたグラモフォン誌の評論家は、「フレーズがより柔軟になり、呼吸の空間が追加され、アンサンブルがより鮮明になった」点を評価しています。
 1980年にはフランスのポップスター、セルジュ・ラマが作曲したシャンソンをマゼール自らがオーケストレーションを施したアルバム(ティスク12)が発売されています。マゼールはパリでラマのコンサートを聴いて「一目ぼれ」し、その後フランスのテレビ番組でラマとヴァイオリンで共演、「ラマの歌と詩をオーケストラという、無限の色彩的パレットを持つ大きな器で表現したい」考え、実現したアルバムです。当時フランスを中心にヨーロッパでのみ発売されたアルバムで、ワールドワイドでリリースされるのは今回が初めてとなります。
 今回のセットで最も貴重かつ注目されるのは、マゼールがCBSとの録音契約を結ぶ前に制作されたライヴ盤(ティスク1)でしょう。1971〜72年にクリーヴランド管の夏の本拠地ブロッサム音楽祭でラジオ放送用にライヴ収録されたベルリオーズ、ブラームス、バーバー、そして1973年10月にシドニーのオペラ・ハウスのこけら落とし公演でラジオ放送用にオーストラリア放送によってライヴ収録されたブラームスの交響曲第1番です。これらは1973年と1974年にオーケストラの自主制作盤としてリリースされた音源で、その制作を担ったのがCBSでした。長らくコレクターズ・アイテムとして知られ、CD化が嘱望されていた音源で、ライヴで燃えるマゼールならではの白熱的な演奏が展開されています。

【仕様詳細】
・各ディスクはアメリカ初出LPのアルバム(もしくはボックス)・デザインによる紙ジャケット(E式予定)に封入され、厚紙製クラムシェル・ボックス(蓋と実が合体したボックス)に収容
・ボックス寸法: L 12.8 cm x W 12.7 cm x H 4.0 cm 重量0.46 kg
・ディスクのレーベルは発売当時のLPレーベルのデザインを踏襲、時代の変遷に伴うデザインの変化も辿っています
・オールカラー別冊解説書付き(CDサイズ、32ページ)
・別冊解説書掲載内容
 1. リチャード・エヴィドン「謎めいた天才〜マゼールとクリーヴランド管弦楽団のCBS録音」(英語)
 2. 全ディスクのトラックリスト(録音年月日・場所・プロデューサー名(録音台帳などに記載がある場合)/各曲もしくは各アルバムの初出データ、マトリックス番号を網羅した詳細なデータをジャケットとともに掲載。
 3. アーティスト写真9点・ジャケット裏写真2点掲載(輸入元情報)


ロリン・マゼールとクリーヴランド管弦楽団のCBS録音を集成したこのセットは、数多いマゼール録音の中でも特に注目度の高い傑作と目されながら入手できない状態が長く続いていた音源を収めているのがポイントとなっています。
 マニアの間では昔から有名だった『英雄の生涯』と『幻想交響曲』の超快演や、シンフォニックに徹した隙の無いチャイコフスキー後期交響曲というレア物の復活がなんといっても朗報ですが、しばらく入手できなかったベートーヴェン交響曲全集も見逃せません。
 その他、リヒャルト・シュトラウスの『ドン・ファン』『ティル』『死と浄化(変容)』の雄弁な演奏を収録し、マゼール芸術の素晴らしさをたっぷり味わえる内容となっています。

【Disc2/R.シュトラウス:英雄の生涯】
1977年ステレオ録音。マゼールとクリーヴランド管弦楽団の結びつきの強さを最良の形で示した素晴らしい演奏。LP発売当時、どこまでもシャープで緻密でありながらも、俊敏な機動性を兼ね備える自在でしなやかな演奏によって大いに評判となったものです。1979年度レコード・アカデミー賞受賞の名盤でもあります。

【Disc3-9/ベートーヴェン:交響曲全集】
1977〜1978年ステレオ録音。発売当時、賛否両論を招いた演奏ですが、今聴くと細部の凝った仕上げや、クリーヴランド管弦楽団の各パートが明晰に聴こえる録音など実に面白く、とてもユニークな全集と感じさせます。

【Disc11/ベルリオーズ:幻想交響曲】
1977年ステレオ録音。ヴァイオリン両翼型の楽器配置で響きの立体感を克明にし、さらに、クリーヴランド管弦楽団のヴィルトゥオジティを生かした機動力に優れる演奏によって終楽章終盤など完璧なコントロールで凄い盛り上がりをみせてくれます。

【Disc13-15/チャイコフスキー:後期交響曲集】
1980〜1981年デジタル録音。クリーヴランド管弦楽団を指揮したきわめてシンフォニックなアプローチで、感情過多な表現に陥ることなく、作品構造をしっかりと表出し、細部情報にもこだわりをみせた演奏。(HMV)


【収録情報】
■初発売音源
★初CD化(24bit/192kHzリマスター)
◆ソニークラシカルからの初発売音源
Disc1★◆
1. ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』 H.95
2. ブラームス:大学祝典序曲 Op.80
3. バーバー:序曲『悪口学校』 Op.5


 録音:1972年7月9日(1)、14日(2)、15日(3) カヤホガフォールズ、ブロッサム・ミュージック・センター
 クリーヴランド管弦楽団放送サービスによるライヴ・レコーディング

4. ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68

 録音:1973年10月4日 シドニー、オペラ・ハウス
 オーストラリア放送(クリーヴランド管弦楽団放送サービスに拠る)によるライヴ・レコーディング

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)
Disc2
● R.シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』 Op.40


 クリーヴランド管弦楽団
 ダニエル・マジェスケ
(ヴァイオリン・ソロ)
 ロリン・マゼール(指揮)

 録音:1977年1月10日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc3
ベートーヴェン:
1. 交響曲第1番ハ長調 Op.21
2. 交響曲第2番ニ長調 Op.36

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1978年4月28日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc4
● ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1977年10月24日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc5
ベートーヴェン:
1. 交響曲第4番変ロ長調 Op.60
2. 交響曲第8番ヘ長調 Op.93

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1978年4月28日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc6
ベートーヴェン:
1. 交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
2. 『エグモント』 Op.84〜序曲
3. 『レオノーレ』序曲第3番 Op.72b

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1977年10月24日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc7
● ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1978年2月24日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc8
ベートーヴェン:
1. 交響曲第7番イ長調 Op.92
2. 歌劇『フィデリオ』序曲

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1978年2月23日、1977年10月25日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc9
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』

 ルチア・ポップ
(ソプラノ)
 エレーナ・オブラスツォワ(メゾ・ソプラノ)
 ジョン・ヴィッカーズ(テノール)
 マルッティ・タルヴェラ(バス)
 クリーヴランド管弦楽団合唱団
 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1978年10月13日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc10
R.シュトラウス:
1. 交響詩『ドン・ファン』 Op.20
2. 交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』 Op.28
3. 交響詩『死と浄化(変容)』 Op.24

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1979年5月9日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム(デジタル録音)
Disc11
● ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1977年1月10日 クリーヴランド
Disc12
セルジュ・ラマ/オーケストレーション:ロリン・マゼール:
1. ピガールの娘たち
2. うちにおいで
3. ジュテーム・ア・ラ・ラフォリ
4. 灰色の途
5. 奴隷
6. 女歌手は20歳
7. 浴室
8. ああ!
9. ピアノを弾く少年
10. 女、女、女
11. 他人の子
12. オールド・ファッションド・ワルツ


 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1988年4月25日、5月9日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール
Disc13
● チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 Op.64

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1980年10月10日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc14
● チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 Op.74『悲愴』

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1981年10月4日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム
Disc15
● チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 Op.36

 クリーヴランド管弦楽団
 ロリン・マゼール
(指揮)

 録音:1981年10月5日 クリーヴランド、メソニック・オーディトリアム

 オリジナル・プロデューサー:ポール・マイヤース(Disc3-10,12)、アンドルー・カズディン(Disc2,11)、スティーヴン・エプスタイン(Disc13-15)
 リイッシュー・プロデューサー:ローベルト・ルス(ソニー・クラシカル・インターナショナル)
 トランスファー、レストレーション、リマスター:
 Disc1:ナンシー・コンフォーティ、アンドレアス・K・マイヤー(ニューヨーク、スワン・スタジオ)
 Disc12:マシュー・ステック(アイアン・マオウンテン・デジタル・サービス)
 Disc1, 12:24bit/192kHzリマスター:マルティン・キストナー、スイア・キム(ベルリンb-sharpミュージック&メディア・ソリューションズ)


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10年前に買った「ロリン・マゼールの芸術...

投稿日:2025/03/31 (月)

10年前に買った「ロリン・マゼールの芸術(30CD)」のベートーベン、特に1番、3番、8番が良かったので、SACD可をずっと願ってきたが、今回、高音質化で一部再発と云うので早々に購入しました。5番も高音質化の恩恵で、第4楽章冒頭の『交響曲史上初』のトロンボーンが、昔のBPOとの録音同様に朗々と聴こえます。これは勿論譜面通りなのですが、ただ譜面にはあまり執着していない面も見られ、この5番では第1楽章の再現部でヴァインガルトナーの修正(ファゴットン⇒ホルン)が見られます。音質的には高弦のザワザワした響きが軽減され、全体にまろやかな響きで聴き易い上、細部が明瞭になって永年の溜飲が下がる思いです。ベートーベン以外では、国内雑誌のアカデミー賞を受けた「英雄の生涯」、テラーク盤よりも遥かに壮大な「幻想」も高音質化の恵みを受けて感激ものです。特に後者はミュンシュ・パリ音楽院管(EMI)に匹敵する名演だと思います。重複してでも買って良かった。

よねさん さん | 大阪府 | 不明

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