CD 輸入盤

セルジウ・チェリビダッケ&ロンドン交響楽団、伝説の7つのコンサート 1978〜1982年ステレオ・ライヴ(10CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
2506-5600
組み枚数
:
10
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


チェリビダッケ&ロンドン交響楽団
ロイヤル・フェスティヴァル・ホールにおける伝説の7コンサート
新マスタリング音質向上、ステレオ録音
CD日本プレス。英語、日本語によるライナーノート付き


チェリビダッケという人はいつの時代も完成していた人なのではないか、という気持ちも新たな伝説の名演集が復活。70年代後半はロンドン交響楽団と蜜月状態にあったチェリビダッケ。絵の具の豊富なパレットから色鮮やかな音楽を聴かせてくれます。このコンビは1980年4月に過密スケジュールの日本公演も行いました。このセットにも来日公演曲目が網羅されております。
 ロンドン交響楽団はプレヴィン時代からアバド時代の移行期間ともいえる充実した季節です。リーダー(コンサートマスター)のマイケル・デイヴィスをはじめとして、トロンボーンのデニス・ウィック(『展覧会』における妙技等)、トランペットのモーリス・マーフィー(目立つ箇所だらけ!)等の名人揃い。ミュンヘン・フィル着任前のアグレッシヴなチェリビダッケに見事に呼応します。来日公演でも披露されながらなぜかリリースがないティペットの『祭典の踊り』(唯一の録音)も収録。ミケランジェリにとってもベストの出来、最高音質である絶美のラヴェル。神秘的なフォーレ。ご子息セルジュ氏の公認を得た正規リリースです。
 この度東武レコーディングの海外音源の発掘を担当してきた「Prominent Classics」がレーベルとして独立。CD日本プレス。美麗夫婦箱10枚組。木之下 晃氏による来日時の写真をあしらいました。
 英語、日本語によるライナーノート付き。(販売元情報)

チェリビダッケが1978年から1982年にかけて、ロンドン交響楽団とロイヤル・フェスティヴァル・ホールでおこなった演奏会の音源をCD化した貴重なボックス・セット。2004年にリリースされたもののわずかな期間で廃盤となってしまった音源の、まさかの復活です。

エネルギッシュでありながら緻密でもあった60代後半のチェリビダッケが、機能性抜群のロンドン交響楽団と組んだ演奏の数々はどれも見事なもので、冒頭の『運命の力』序曲からしてその表現のワイドレンジなことには驚くほかありません。『ロメオとジュリエット』の「タイボルトの死」におけるめくるめくスピード感と死の恐怖もなんとも凄まじく、一方、ミケランジェリとのラヴェル第2楽章では繊細さの極限を示した耽美的な演奏を聴かせてくれるのです。
 中でも凄いのは『魔法使いの弟子』でしょう。冒頭から遅いテンポ設定に少なからず驚かされますが、そこで克明に印される細部音型のおもしろさ、細心の注意を払いつつ取り出されるニュアンスの豊かさは、まさしくこの指揮者ならではの表現。通俗的な描写音楽とみなされがちなこの作品の概念をはるかに上回る多種多様な情報量とデリケートな美的感覚は圧巻で、音楽が高潮するにしたがって無制限とも思えるほどにふくれ上がり、空前といいたくなる巨大なスケールに達するあたりはもはや絶句するほかありません。会場のナチュラルな響きを収めた良好な音質もてつだって、他のどんな演奏からもまず絶対に聴くことができないであろう素晴らしくユニークな名演を堪能することができます。
 ラヴェルのピアノ協奏曲も絶品です。相性がよかったミケランジェリとチェリとのコンビは来日公演などでもよく知られるところ。共演者の選択には極端なほど厳しかったことで有名なこのふたり、おたがいに孤高と称された唯美主義者どうしの共演は、ここでも他の組み合わせからは想像できないユニークな美的境地を達成しています。とりわけ第2楽章は、両者の“音”に対する鋭敏なセンスを如実に感じさせるみごとな演奏で、細部まで目の行き届いたオーケストラのコントロールぶりをみせるチェリの伴奏、極度にクリアで、しかし脆弱さを感じさせないミケランジェリの端然とした音色が一体となった、きわめてデリケートな感覚美がたまりません。
 プロコフィエフの交響曲第5番も聴きものです。終楽章は、指揮者の技量とオーケストラの性能を示す絶好の場であるだけにさまざまな熱演、力演がありますが、そんな場所でもチェリビダッケは豊富なニュアンス表出を怠りません。いちどその多彩をきわめた演奏の味を知ってしまうと、他の演奏はいかにも無味乾燥もしくは品のない空騒ぎに聴こえてしまうほど。ロンドン響の大奮闘ぶりもみごとなもので、特にクラリネット・ソロの巧さは聴きどころです。

この時期のチェリビダッケは頻繁にロンドン交響楽団に客演、1980年には来日公演も実施され、当時はまだ“幻の指揮者”とされていたチェリビダッケの類まれな芸術を伝える名演と絶賛を博したこの一連の演奏は、FM放送を通じて全国のクラシック音楽ファンに驚くべき感銘を与え、なかば伝説化していることはよく知られているところです。
 チェリビダッケの真価をわが国に広く伝えたロンドン交響楽団との共演も、ほどなくチェリがミュンヘン・フィルへ転出して途絶えてしまい、もとより“録音嫌い”のチェリゆえレコーディングを残したはずもなく、その見事な共演ぶりを知る人は、公演会場に居合わせたひとにぎりの聴衆とFM放送でドギモを抜かれたリスナーのみ。
 いわばこのコンビ自体が“幻”となってしまっただけに、今回の復活リリースが大きな注目を集めることは必至、ファンならずとも見逃せないところでしょう。(HMV)

■関連情報
セルジウ・チェリビダッケ年表

連載 許光俊の言いたい放題 第302回『フォーレに圧倒された』
「...フォーレの「レクイエム」が圧巻だ。イギリスの合唱は響きがきれいでなめらかなのだが、ここではそういう音楽の範囲を完全にはみ出している。まるで中世の修道士たちの...」

【収録情報】
Disc1
● ヴェルディ:歌劇『運命の力』序曲
● ヒンデミット:交響曲『画家マティス』
● プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲

 モンタギュー家とキャピュレット家
 少女ジュリエット
 仮面
 別れの前のロメオとジュリエット
 アンティル列島の娘たちの踊り
 墓の前のロメオ
 タイボルトの死

 録音時期:1978年4月11日

Disc2
● ブラームス:交響曲第3番ヘ長調 Op.90


 録音時期:1979年5月31日

Disc3
● ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
● ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番


 録音時期:1979年5月31日

Disc4
● シューマン:交響曲第2番ハ長調 Op.61
● ラヴェル:スペイン狂詩曲
● ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲


 録音時期:1979年9月18日

Disc5
● ワーグナー:『タンホイザー』序曲


 録音時期:1979年9月18日

● モーツァルト:交響曲第38番ニ長調 K.504『プラハ』
● シベリウス:交響詩『エン・サガ』


 録音時期:1979年9月21日

Disc6
● プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調 Op.100


 録音時期:1979年9月21日

● ティペット:歌劇『真夏の結婚』〜祭典の踊り

 録音時期:1980年4月10日

Disc7
● ドビュッシー:管弦楽のための映像〜『イベリア』
● ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲『展覧会の絵』


 録音時期:1980年4月10日

Disc8
● コダーイ:ガランタ舞曲
● ラヴェル:組曲『マ・メール・ロア』


 録音時期:1980年4月13日

Disc9
● ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68


 録音時期:1980年4月13日

● デュカス:交響詩『魔法使いの弟子』

 録音時期:1982年4月8日

Disc10
1. ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
2. フォーレ:レクィエム


 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(ピアノ:1)
 マリー・マクローリン(ソプラノ:2)
 グウィン・ハウエル(バス:2)
 ロンドン交響合唱団、合唱指揮:リチャード・ヒコックス(2)

 録音時期:1982年4月8日

 ロンドン交響楽団
 セルジウ・チェリビダッケ(指揮)

 録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)


ユーザーレビュー

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臨場感のある素晴らしい音に仕上がっていま...

投稿日:2022/10/08 (土)

臨場感のある素晴らしい音に仕上がっています。あまり演奏しなかったモーツアルトなど、新しい発見がある演奏です。古楽演奏が定番となった今、このような演奏はなぜか心をゆすぶられます。既発売の盤は廃盤とのこと、新たな気持ちで先入観なしで聞いてみると、なるほどすごい指揮者だと改めて感じます。ライブは席によって臨場感が若干左右されますが、このCDは特等席で聴いているといっても過言ではないと思います。私はそう思って聴きました。音は柔らかく、素晴らしいの一言です。

dohnany さん | 埼玉県 | 不明

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