威厳と風格の音楽
カール・ベーム3枚組。エリー・ナイとの共演による最強の『皇帝』も
晩年を待たずして、ドイツ=オーストリア系の真の、そして最後の継承者とされたカール・ベーム[1894-1981]。フィッシャー=ディースカウはベームについて「彼ほどスポンテニアスで、彼ほど素晴らしいテンポ感覚の持ち主はいなかった」て述べ、また別の歌手も「スイス時計のような精確さ」と尊敬された人生でした。
ピアノのブランカ・ムスリン[1917-1975]はアグラム(現クロアチア)に生まれ、パリでコルトー、イヴォンヌ・ルフェビュールらに師事しました。1958年からフランクフルトの音楽院で教鞭をとり、コンヴィチュニーの指揮でラヴェルやフランク(交響的変奏曲)、モーツァルトの協奏曲第20番などをコンヴィチュニーの指揮でエテルナに録音するなど、興味深い活動をしています。
エリー・ナイ[1882-1968]はドイツのピアニストで、1940年にボン市からベートーヴェン賞を受けました。ベートーヴェンとブラームスの専門家として名を馳せたエリー・ナイのテクニックと確信に満ちた演奏は、今なお圧倒的な迫力があります。ベームによる管弦楽も実に立派で威厳に満ちています。
オーケストラからピアニストのアルバムまで、多種多彩なヒストリカル音源の発掘で親しまれた「tahra」。ルネ・トレミーヌ[1944-2014)が、公私にわたるパートナーのミリアム・シェルヘン(ヘルマン・シェルヘンの娘)とともに運営したヒストリカル・レーベルでしたが、トレミーヌの死去にともない活動を休止。しかし、その豊富な音源は今もなお愛されています。「Tahra」の名盤16選を、オリジナル・ブックレット解説の翻訳つきで国内盤仕様で発売いたします。(販売元情報)
【収録情報】
Disc1
1. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
第1楽章 アレグロ・モデラート [17:24]
第2楽章 アンダンテ・コン・モート [5:14]
第3楽章 ロンド・ヴィヴァーチェ [9:43]
ブランカ・ムスリン(ピアノ)
シュトゥットガルト放送交響楽団
カール・ベーム(指揮)
録音:1951年4月15日、ヴィラ・ベルク
2. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
第1楽章 アレグロ [21:03]
第2楽章 アダージョ・ウン・ポコ・モッソ [8:50]
第3楽章 ロンド(アレグロ)
エリー・ナイ(ピアノ)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カール・ベーム(指揮)
録音:1944年4月12日、ムジークフェラインザール(RRGドイツ帝国放送)、マグネットフォンコンサートNo.2542
Disc2
3. ベートーヴェン:『レオノーレ』序曲 第3番 [14:29]
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カール・ベーム(指揮)
録音:1944年2月9日(RRGドイツ帝国放送)
4. ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
第1楽章 ウン・ポコ・ソステヌート - アレグロ [12:53]
第2楽章 アンダンテ・ソステヌート [10:29]
第3楽章 ウン・ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーゾ [4:08]
第4楽章 アダージョ・ピウ・アンダンテ。アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・ブリオ [15:51]
ベルリン放送交響楽団
カール・ベーム(指揮)
録音:1950年10月8,9日
Disc3
5. ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107
第1楽章 アレグロ・モデラート [18:58]
第2楽章 アダージョ、非常に荘厳に、そして非常にゆっくりと
第3楽章 スケルツォ 非常に速く
第4楽章 フィナーレ 動いて、しかしあまり速くなく
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カール・ベーム(指揮)
録音:1943年6月4,5日、ムジークフェラインザール(RRGドイツ帝国放送)、マグネットフォンコンサートNo.2542
原盤:TAH444
輸入盤・日本語帯・解説付き
ベームの1944年から51年までの録音5曲を収録。ピアノのブランカ・ムスリンはパリで研鑽を積み、コンヴィチュニーの指揮で何枚か録音を遺している。エリー・ナイはドイツのピアニストで、スケールの大きな演奏。これがドイツだ。(CDジャーナル データベースより)