クリスティお墨付きのカウンターテナー2名による二重唱曲集
クリスティ率いるレザール・フロリサンの新譜は、モンテヴェルディからヘンデルまで、多岐にわたるアルトのための二重唱曲集を中心としたプログラム。器楽編成は小編成ながら、喜びに満ちた表情から厳しい表情まで豊かなサウンドを響かせながら変幻自在。クリスティのチェンバロもさりげなく要所要所でピリリと効いたさすがのものです。そしてなんといっても歌手2名の妙技がさえわたり、愉悦の1枚です。
2人の歌手はクリスティが認める若手注目歌手。1987年スペイン生まれのカルロ・ヴィストーリは近年、世界中の歌劇場やホールでもはや「現象」を巻き起こしている存在で、力強い歌声、完璧なコントロールと超絶技巧は18世紀当時を席巻していたカウンターテナー歌手の歌声もかくやと思わせる、注目の存在です。ヴィストーリは2012年チェスティ・バロック声楽コンクール優勝、2013年レナータ・テバルディ国際声楽コンクール(バロック部門)優勝。2015年にはクリスティ主宰の「声の庭」メンバーに選出され、以降クリスティのほか、アラルコン、ガーディナー、そしてアンドレア・マルコン、ジョヴァンニ・アントニーニといった指揮者からひっぱりだこ。バルトリとも共演を重ねています。
ヒュー・カッティングは英国王立音楽院を卒業、2021年キャスリーン・フェリアー賞をカウンターテナーとして初めて受賞しました。オペラ『パルテノペ』のアルサーチェ役でクリスティと共演、鈴木雅明、ボルトンらとも共演しています。リサイタルでも活躍しており、古楽はもちろん現代作品も積極的に初演するなど、これからの展開が楽しみな存在です。(輸入元情報)
【収録情報】
1. モンテヴェルディ[1567-1643]:音楽の諧謔〜美しい乙女 SV.235
2. ステッファニ[1654-1728]:幸福の女神よ、お助けください
3. フォンターナ[c.1589-1630]:2つのヴァイオリンのためのソナタ第7番
4. カルダーラ[1670-1736]:コリントのメデア
I. Sinfonia
II. Recitativo「それゆえ、恩しらずなジャソン」
III. Aria「あなたは答えず、わたしを見ようともしない」
IV. Recitativo「しかし、あなたは軽蔑して去る」
V. Aria「用心せよ、わたしが裏切られるとき」
VI. Recitativo「あなたは何も言わずに去ってゆく」
VII. Accompagnato「さあ、おそろしい住人たちよ」
VIII. Aria「復讐のために」
5. ヘンデル[1685-1759]:トリオ・ソナタ ハ短調 HWV.386a〜III. Andante
6. ボノンチーニ[1670-1747]:室内二重唱『私はいつも泣いている』 Op.8-7
I. Duetto「私はいつも泣いている、次にいつ笑えるかはわからない」
II. Recitativo「いいえ、いいえ、落ち着いてください」
III. Aria「あなたのはもはや私の偶像ではないのです」
IV. Recitativo「むごく恩知らずなクロリス」
V. Aria「私はあなたの視線に抵抗することができない』 & recitativo「私は死ぬでしょう、ええ、死ぬでしょう」
VI. Duetto「私の心は最後の息を」
7. ヴィヴァルディ[1678-1741]:カンタータ『もうやめておくれ』 RV.684
I. Recitativo accompagnato「もうやめておくれ」
II. Aria「ああ、いつもむごいドリッラは私に」
III. Recitativo accompagnato「恐ろしい海、あなたのもとに向かう」
IV. Aria「この暗闇に」
8. カルダーラ :ソナタ Op.2-12〜チャッコーナ 変ロ長調
9. ヘンデル:二重唱と三重唱集 第2集〜私の悩みのいとおしいお方 HWV.182b
I. Larghetto - Adagio「私の悩みのいとおしいお方」
II. Andante「いえいえ、私はあなた以外の人のものにはなりません」
III. Allegro, ma non troppo「傷つけられた愛によって」
10. ヴィヴァルディ:幸せの腕の中で RV.687
カルロ・ヴィストーリ(カウンターテナー:1,2,4,6,9,10)
ヒュー・カッティング(カウンターテナー:1,2,6,7,9,10)
レザール・フロリサン
エマニュエル・レッシュ=カゼルタ(第1ヴァイオリン、音楽アシスタント)
アウグスタ・マッケイ・ロッジ(第2ヴァイオリン)
クリストフ・ロバート(ヴィオラ)
シリル・プーレ(チェロ)
ウィリアム・クリスティ(チェンバロ、オルガン、指揮)
録音時期:2023年7月
録音方式:ステレオ(デジタル)