Music At The Habsburg Court-schmelzer, Fux: Harnoncourt / Cmw

アーノンクール／ハプスブルク宮廷の音楽(2CD)
シュメルツァー、フックス作品集
アーノンクール＆ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

アーノンクール初期の注目盤。1969年にテルデック・レーベルでレコーディングした2枚のアルバムをまとめたもので、内容は、オーストリア・バロックの作曲家、シュメルツァーとフックスの器楽作品集。アーノンクールはウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを指揮していますが、みずからヴィオラ・ダ・ガンバの演奏も受けもっており、ウィーンの宮廷に響いた楽師たちの音楽を古楽器を用いて再現しています。
　ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー[1623-1680]は、17世紀ウィーン、ハプスブルクの宮廷で活躍したヴァイオリンの名手。当時宮廷での音楽といえばイタリア勢が優勢でしたが、シュメルツァーはそのヴィルトゥオーゾぶりと魅力的な作品群によって高い評価を獲得、57歳の時に宮廷楽長にまで登りつめますが、その数か月後、おりからのペストの大流行によってプラハで客死してしまいます。
　ヨーハン・ヨーゼフ・フックス[1660-1741]は、パレストリーナを敬って自らもその道を志向した対位法の大家で、ウィーンの宮廷楽長に加え、同じくウィーンにあるシュテファン大聖堂の第1楽長も務めたオーストリア楽壇の実力者、
　その著書『古典対位法（グラドゥス・アド・パルナッスム）』は、バッハやベートーヴェンも所有していたほどで、18世紀にすでに4ヶ国語に翻訳されていたというのだから驚きます。ハプスブルクの勢力を示すものといえるかもしれません。
　フックスはウィーンのショッテン教会でオルガニストを務めていた頃に、音楽にも造詣の深かった皇帝レオポルト１世の目にとまり、宮廷に招かれ、やがて宮廷音楽家となり、その後、シュテファン大聖堂の副楽長に任命、1715年、55歳の時には皇帝カール6世の命により宮廷楽長に就任、その4年後にはシュテファン大聖堂の楽長となっています。以後、亡くなる1741年まで四半世紀以上に渡って音楽家として最高の栄誉に満ちた時間を過ごすこととなります。（HMV）


【収録情報】
Disc1
● シュメルツァー：ソナタ・ナタリス
● シュメルツァー：8声のソナタ第2番
● シュメルツァー：ソナタ第4番『ラ・カロリネッタ』
● シュメルツァー：8声のソナタ第1番
● シュメルツァー：3声のソナタ
● シュメルツァー：6声のソナタ第4番
● シュメルツァー：5声のソナタ
● シュメルツァー：3声のソナタ
● シュメルツァー：3つのヴァイオリンのためのソナタ

Disc2
● フックス：8声のセレナータ
● フックス：7声のロンド
● フックス：4声のソナタ

　ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
　ニコラウス・アーノンクール（指揮、ガンバ）