Meeting with Bach
スウェーデン南部の小さな村の古楽アンサンブル「ホール・バロック(Hoor Barock)」は、2019年にリリースしたルーマンの『ゴロヴィン伯爵の祝宴のための音楽』で2020年のスウェーデン・グラミー賞を受賞しました。ルンド大学と王立ストックホルム音楽大学のコレクションのコレクションによる多彩なプログラムの『リコーダーをともなうバロック協奏曲』も高く評価され、「自由に想像を羽ばたかせ、ずっと忘れられていた音楽を今わたしたちが歩いている通りに響かせる喜び」という愉しい音楽が温かく迎えられました。ホール・バロックの新作は、リュート奏者ドヒョ・ソルとリコーダー奏者エメリ・ルースのふたりによるアルバムです。
『バッハとの出会い』。ドレスデン宮廷のリュート奏者シルヴィウス・ヴァイスは、1739年の夏、バッハの子、ドレスデンのゾフィー教会オルガニストだったヴィルヘルム・フリーデマンと連れ立ってライプツィヒのバッハの家を訪れました。「この滞在の間に何があったか。高いレベルの即興対決をやったのか、それとも友人同士がくつろいで音楽の話に花が咲いたのか」。当時のことを見聞きした人たちは「このとき、まれにみる優雅な音楽が演奏された」と、語ったと言われています。また、バッハが、ヴァイスの作曲したリュートのソロ曲に高声部を加えて「イ長調のソナタ」としたのもこのときだったことが分かっています。バッハ作品カタログの「ヴァイオリンとキーボードのための」組曲イ長調 BWV.1025です。
このアルバムでは、この組曲と、バッハの無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調をドヒョ・ソルが編曲した「リュート・ソロ」の組曲ト短調、C.P.E.バッハが書いた当時流行のギャラント様式の『無伴奏フルートのためのソナタ ハ短調』が演奏されます。
ドヒョ・ソル(Dohyo Sol)[1979-]は、王立ストックホルム音楽大学、ハーグ王立音楽院、王立デンマーク音楽アカデミーで学び、ソリストと室内楽奏者としてコンチェルト・コペンハーゲン(CoCo)などのアンサンブルでも演奏してきました。エメリ・ルース(Emelie Roos)は、ルンド大学で文学と音楽学を修め、王立デンマーク音楽アカデミーと王立ストックホルム音楽大学でダン・ラウリにリコーダー演奏を学びました。ドロットニングホルム宮廷劇場、ヨーテボリ・バロック、ポーランドのアルテ・デイ・スオナトーリをはじめとする古楽のオーケストラとアンサンブルで演奏しています。ソルとルース夫妻はホール在住。ホール・バロックの創設に関わり、2012年からバロックと音楽祭の芸術監督を務めています。(輸入元情報)
【収録情報】
1. シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス[1687-1750]/J.S.バッハ[1685-1750]:組曲イ長調 BWV.1025〜リコーダーとリュートによる
前奏曲(Entree)
クラント(Courante)
ロンドー(Rondeau)
サラバンド(Sarabande)
アレグロ(Allegro0
メヌエット(Menuet)
2. J.S.バッハ/ドヒョ・ソル編:組曲ト短調〜リュート・ソロのための 原曲:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV.1008
前奏曲(Prelude)
アルマンド(Allemande)
クラント(Courante)
サラバンド(Sarabande)
メヌエット I - メヌエット II - メヌエット I(Menuet I - Menuet II - Menuet I)
ジグ(Gigue)
3. C.P.E.バッハ[1714-1788]:無伴奏フルートのためのソナタ ハ短調 Wq.132(原調:イ短調)
ポコ・アダージョ(Poco Adagio)
アレグロ(Allegro)
アレグロ(Allegro)
ドヒョ・ソル(リュート:1,2)
エメリ・ルース(リコーダー:1,3)
録音方式:ステレオ(デジタル)