当代随一のカウンターテナー、ファジョーリ圧巻の歌唱力で魅せる!
18世紀のカストラート、カッファレッリのアリア集
今、若手世代の中で最も熱き注目を集めているカウンターテナー歌手の一人、フランコ・ファジョーリが、「naive」レーベルからはファースト・アルバムとなるアリア集をリリース! 映画『カストラート』の主人公として日本でも知名度の高い18世紀の天才歌手ファリネッリのライバルとして活躍していた、カッファレッリのために作られたアリアを集めたアルバムになります。ペルゴレージの歌劇『シリアのアドリアーノ』のアリア以外のすべてが世界初録音。バロック・オペラを得意とし、当時のカストラート達がレパートリーとしていた作品の蘇演に熱心なファジョーリらしい、意欲的なプログラムといえましょう。
さらに、本アルバムにはフルカラー76ページの豪華ブックレットが付いており、カッファレッリについての詳細な解説が壮麗な挿絵と共に寄せられています。ファリネッリや同時代の作曲家たちとの関係についても語られており、18世紀に活躍した天才カストラートたちの生を垣間見ることが出来る興味深い内容となっております(欧文のみ)。
その超絶的な音域と技巧で一世を風靡していたカストラート。本アルバムに収録されているアリアも、生前のカッファレッリの実力を思わせる技巧的な旋律が随所に施されたものばかりです。華々しいコロラトゥーラ・アリアでは安定感抜群のファジョーリの歌唱力に舌を巻く一方、緩やかに歌いこむアリアでは高い評価を得ている表現力と美しい歌声に魅了されます。彼の歌唱には無理がなく、特に、激しい旋律でも失われない伸びやかなフレーズ感は圧巻。現代のカッファネッリとは彼のことか、と言わせんばかりの見事さです。伴奏はイタリア・バロック界の名門リッカルド・ミナージ&イル・ポモ・ドーロ。本場イタリア気風の溌剌とした音作りで、ファジョーリの歌声を堅実にサポートしています。(キングインターナショナル)
【収録情報】
1. ハッセ:『シロエ』より「嵐の恐怖の中で」
2. ハッセ:『シロエ』より「私はあなたの人生でなければならなかった」
3. ヴィンチ:『許されたセミラーミデ』より「千の怒りに抱かれて」
4. レーオ:『デモフォンテ』より「可哀そうな子供」
5. サッロ:『ヴァルデモロ』より「よく愛する心」
6. ペルゴレージ:『シリアのアドリアーノ』より「だから、時々嬉しくて」
7. レーオ:『デモフォンテ』より「海岸近くで願い信じていたのに」
8. カファロ:『イペルメストラ』より「私をもっと落ち着かせて」
9. ポルポラ:『許されたセミラーミデ』より「Passaggier che sulla sponda」
10. マンナ:『ルキウス・ウェルス、またの名をヴォロジェーソ』より「お前を残して行く、愛する人よ、さようなら」
11. マンナ:『独裁者ルキウス・パピルス』より「戦場のトランペットの音を聴き」
フランコ・ファジョーリ(カウンターテノール)
イル・ポモ・ドーロ
リッカルド・ミナージ(指揮)
録音時期:2012年8月、9月
録音場所:イタリア、ロニーゴ、ヴィラ・サン・フェルモ
録音方式:ステレオ(デジタル)
世界初録音(6以外)
【フランコ・ファジョーリ】
1981年、アルゼンチン生まれのカウンターテナー歌手。デビュー当初から、数々の音楽祭や著名な歌劇場で卓越した歌唱を披露し、同世代の中でも頭角を表す若手実力派として熱き注目を集めている。2009年には初のソロ・リサイタルをシュトゥットガルト州立歌劇場で行い、演奏後には満員のスタンディング・オベーションを受けるなど、大きな反響を得た。2011年、イタリア音楽界で最も権威のある『アッビ・アーティ賞』をカウンターテナー歌手として初めて受賞する快挙を遂げて、さらに注目を集める。バロック・オペラをレパートリーの中心に据えるとともに、カストラートのレパートリーを取り上げることをライフワークとしており、その高い音楽性と超絶技巧でカストラートの魅力を伝えることに大きく貢献している。(キングインターナショナル)