’12年発表。メランコリックであり耽美的で美しいメロディーと突如として凶暴的に牙を向くダブ・サウンドで80年代より活動するON-Uサウンド。そしてこのエイドリアン・シャーウッドはそのレーベル主宰でありエンジニア/プロデューサーでもある。彼曰く大音量でもヘッドフォンでもトランス状態にさせるアルバムとのことだが、まさにアンビエント・ダブ・サウンドとでも形容出来そうな唯一無二なアルバム。

’06年発表。前作『ネバー・トラスト・ア・ヒッピー』は、ワールド・ミュージックが本来持っていた、さまざまな国の音楽が越境／異種混合していく面白さ、をエイドリアン流に追求したソロ・アルバムだった。3年ぶりとなった2ndソロでも、エイドリアンは得意の過激なダブ処理を施しながらそれを追求している。マーク・スチュワートの歌がフィーチャーされた�Iや、タックヘッドばりの硬質なビートが炸裂する�K�Lなど、どの曲も凶暴さがみなぎっているのは、嬉しい限りだ。ジャマイカ・レゲエ至上主義者（DQN御用達レゲエ愛好家）が大嫌いな僕のような人間は、その手のピュアリストに対して牙をむいたような攻撃的ビートの応酬に、興奮を通り越して卒倒寸前である。

このCDにはﾗｲﾅｰはついておりません。Beat Recordはﾗｲﾅｰをｻｲﾄからﾀﾞｳﾝﾛｰﾄﾞさせる方式に変えたようです。なら値段も下げるべきでしょう？さて，今やDUB界の大御所ｴｲﾄﾞﾘｱﾝ・ｼｬｰｳｯﾄﾞによるｻｳﾝﾄﾞ・ｸﾗｯｼｭ第３弾ですが，相当にﾀﾞﾋﾞｰだけどもﾚｹﾞｴではありません。どちらかと言えばﾌﾞﾚｲｸﾋﾞｰﾂでﾋﾌﾟﾎﾌﾟ系のネタをｸﾞﾁｬｸﾞﾁｬ×2にﾐｯｸｽしております。ﾚｹﾞじゃないｼｬｰｳｯﾄﾞなんて・・とお嘆きの貴兄，それが何と，コレはコレでかなり気持ちのイイ，ブッ飛べる音に仕上がっております。結論，どんな音を料理しようがｼｬｰｳｯﾄﾞはｼｬｰｳｯﾄﾞでした。ﾛｯｸぽいﾀﾞﾌﾞって感じかな？