CURRENTORIA

改めて驚かされるA-bee氏の個性と圧倒的表現力。これはあまりに美しすぎる。リズムパターンが複雑なエレクトロニカを凌ぐ新世界。幻想的にして叙情的な深み、そこに見えるユーモラス。喜怒哀楽をふるわす命の脈動を感じます。印象的なピアノの旋律、水音、小鳥のさえずり、鈴虫の温かみ、NOISE、天音、天使の唄声、自然とエレクトロのカオスから放たれる流麗が五感を激しく刺激。静寂から駆け抜ける音のエナジーラインは、優しく心の琴線を弾き五感が高ぶり、涙が溢れます。至福と悲しみの共時性、情緒豊かで奥行きのある立体的な音には、流行廃りというパラダイムシフトに左右されない「作品」としての風格を強く感じます。もう一つの注目はあまりに美しい天声を宿すVOCALの起用。Mi-yo,Kaori Okano,ellie,荘野ジュリ、世界レベルのHydro-Whisper-Voiceを操る美しき唄姫の声が、加工されず元来の美しさで物語を彩ります。曲順も計算されていると思います、ランダムで聴くより通して聴いた方が泣けました。天音一曲一曲がリンクして織りなす美しき物語。心の奥に残る幼き頃の憧憬、原風景のイメージ。生涯の友、今年最高の作品に出会えました、普段の音楽に飽き足らない方には大推薦です。余談ですが、音質、録音状態が余りに素晴らしいので、MP3で情報を落とすのはもったいないと感じました。個人的にはCDでスピーカーを通して身体全体で音を浴びると気持良いです。HMVさん、いつも素晴らしい音楽をありがとうございます！