仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか 文春新書

鵜飼秀徳

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166611980
ISBN 10 : 4166611984
フォーマット
出版社
発行年月
2018年12月
日本
追加情報
:
251p;18

内容詳細

明治百五十年でも語られない闇の部分、それが廃仏毀釈だ。神社と寺院を分離する政策が、なぜ史上稀な宗教攻撃、文化財破壊にエスカレートしたのか?日本各地に足を運び、埋もれた歴史を掘り起こす近代史ルポルタージュ。

目次 : 第1章 廃仏毀釈のはじまり―比叡山、水戸/ 第2章 維新リーダー藩の明暗―薩摩、長州/ 第3章 忖度による廃仏―宮崎/ 第4章 新政府への必死のアピール―松本、苗木/ 第5章 閉鎖された島での狂乱―隠岐、佐渡/ 第6章 伊勢神宮と仏教の関係―伊勢/ 第7章 新首都の神仏分離―東京/ 第8章 破壊された古都―奈良、京都

【著者紹介】
鵜飼秀徳 : ジャーナリスト、浄土宗正覚寺副住職。1974年京都市右京区生まれ。成城大学文芸学部卒業。報知新聞社、日経BP社を経て、2018年1月に独立。一方、僧侶としての顔も持つ。一般社団法人「良いお寺研究会」代表理事。東京農業大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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もうずいぶん前のことだが、海外に流出した...

投稿日:2021/07/03 (土)

もうずいぶん前のことだが、海外に流出した文化財の里帰り展があった。その時私の隣で展示を見ていた若い男性が「取っていきやがって、ちくしょう」とつぶやくのが聞こえた。「それは違うよ。明治の初めに廃仏毀釈というのがあって、日本人が破壊したり打ち捨てた仏像などを外国人が持って帰った。そのおかげで今こうして見られるんだ」と言ってあげそうになったが、その時は私も若かったし、たいした知識も持っていなかったので黙っていた。その後自分なりに調べたりしてある程度は知るようになったが、廃仏毀釈の頃全国各地でどのようなことが起こっていたのかが、この本で一層よくわかるようになった。権力者への忖度、同調圧力、一時的な熱狂などにかられて、いかに愚かなことをしてしまったことか、返す返すも残念なことだ。でも今の日本の状況、日本人ってあまり成長していないのかなあ。

禅済 さん | 三重県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ろくせい@やまもとかねよし さん

    人間の自己確立のために信仰は必要な要素であるが、日本国内でも為政者が強権的に信仰規制してきた。本書は近代日本の政治的信仰規制を解説。1868年の神仏分離令から始まる廃物毀釈を、具体的な各地の例に対し背景と実施を分析しながら紹介。日本信仰の歴史の転換期は仏教の影響は大きい。飛鳥時代の仏教伝来後、国教化政策され、革命的な仏教大衆化が生じ、為政者と仏教権力者との争いを経て、江戸時代には国内統制のため仏教が積極的に活用された。経済停滞期の江戸時代で権力の既得化した仏教勢力に対する明治改革が本書主題。

  • ナイスネイチャ さん

    図書館本。廃仏毀釈という明治政府の悪行とも解釈できる明治初期2〜3年で多くの仏像や寺が失われた歴史。ある程度つぶされてもしょうがない寺社があってもいいと思うが、これはやりすぎ。著者は近年も同じく衰退している現状を嘆いていました。

  • 佐島楓 さん

    廃仏毀釈。日本史の教科書ならさらっと一行で流される事象を、本書では詳しく検証している。明治政府の意図を超えた活動になってしまったという廃仏毀釈。そこにはどのような心理が働いたのか、いくつか答えは出ているものの、地域差もかなりあるようで、もっと周辺の本をいろいろと読んでみたいと思った。寺社仏閣の見方が変わる作品。

  • さつき さん

    廃仏毀釈とは具体的にどんなことが行われたのか知らなかったです。偽金作りや橋の材料に仏具が溶かされ使用されたり、暖を取るために仏像が焚き木として使われたりなど愕然とするエピソードが満載です。一方で、廃寺となった寺院を学校に転用したり、その廃材を使い校舎を建設した事例が多いことには複雑な気持ちになります。新しい価値観でことを始める時には、とかく古いものは切り捨てられる傾向にあるのでしょうけど…当初、新政府側が意図したよりも結果が過激になってしまった理由が、熱しやすく冷めやすい国民性にあるというのも悲しいです。

  • ネギっ子gen さん

    【神社と寺院を分離する政策が、なぜ史上稀な宗教攻撃、文化財破壊にエスカレートしたのか】浄土宗住職で「良いお寺研究会」代表理事である著者が、日本各地の埋もれた歴史を徹底取材。「結びにかえて」で、<仏教界の体たらくが廃仏毀釈をより過激にさせた。/若澤寺は江戸時代、松本でも屈指の規模を誇る大寺院であった。しかし、住職が妾の元に入り浸り、地元の人々から「新若澤寺」と揶揄される存在になっていた。松本では76%の寺院が破却されているが、その後、復旧できた寺院とそうでない寺院に分かれた。若澤寺は復興できなかった>と。⇒

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鵜飼秀徳

京都・嵯峨の正覚寺に生まれる。成城大学文芸学部卒業後、新聞記者・雑誌編集者に。オウム真理教事件、東日本大震災、チェルノブイリ原子力発電所、北方領土など国内外の多くの取材現場に足を運ぶ。2018年に独立。2021年に正覚寺住職に就任(三十三世)。主に「宗教と社会」をテーマに取材、執筆、講演を続ける。近

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