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ISBN 10 : 4106038358
Content Description
前衛的でときにラディカルな文体戦略を駆使して描かれたのは、分裂と融和、衝突と和解、否定と肯定、ボケとツッコミから成る「壮大な矛盾のかたまり」であった。『風と共に去りぬ』を新たに翻訳した著者ならではの精緻なテクスト批評に、作者ミッチェルとその一族のたどった道のりを重ね合わせ、現代をも照射する古典名作の「読み」を切り拓く画期的論考。
目次 : 第1章 映画と翻訳―世界的成功の内実(原作と映画の奇跡的な関係/ 日本語への翻訳最初期)/ 第2章 潮に逆らって泳ぐ―文学史における立ち位置(萌えの文学とキャラ小説/ マーガレット・ミッチェルはどこにいる?/ 前衛と伝統の小説技法 キャラクター造り)/ 第3章 人種と階層のるつぼへ―多文化的南部へのまなざし(『風と共に去りぬ』の生みだした多様性/ 数々の多岐の道がここに至る/ クー・クラックス・クランをめぐる猿芝居)/ 第4章 文体は語る、物語も人生も―対立と融和、ボケとツッコミの構造(映画の成功とジレンマ/ 「なにが書かれているか」ではなく「どう描かれているか」/ 最大の謎―ビッチ型ヒロインはなぜ嫌われないのか?)/ 第5章 それぞれの「風」を読み解く―四人の相関図(パンジー・ハミルトンの奇妙な消失/ 黒のヒロイン、聖愚者メラニー・ウィルクスの闇/ アシュリ・ウィルクスの名誉と性欲/ 仮面道化師レット・バトラーの悲哀/ 切断された相関図)
【著者紹介】
鴻巣友季子 : 1963年、東京生まれ。翻訳家、文芸評論家。英語圏の現代文学の紹介と共に古典新訳にも力を注ぐ。訳書多数。翻訳に関する著書も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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