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世紀末芸術

Shuji Takashina

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480091581
ISBN 10 : 4480091580
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2008
Japan

Content Description

メタモルフォーズする官能の女性像、流麗なアラベスク模様、象徴的な動植物モティーフ―。アールヌーヴォーやユーゲントシュティールなど「世紀末芸術」は、19世紀末、爛熟の極に達した西欧文化の中から、一斉に花ひらいた。混沌とした転換期の鋭敏な感受性が、華麗な装飾性や、幻想的な精神世界などを追求しはじめたのだ。そこにはすでに、抽象表現の台頭、諸芸術の綜合、芸術言語の国際化等、20世紀芸術にとって大きな意味をもつ諸問題が提起されていた。新時代への「美の冒険」でもあった芸術運動を、絵画や彫刻、建築、装飾、デザインの分野にわたって捉える。

目次 : 序章 世紀末芸術とは何か(転換期の芸術/ 新しい芸術理念/ 頽廃と新生)/ 第2章 世紀末芸術の背景(社会的風土/ 機械文明の発達/ ジャーナリズムの繁栄/ 遙かな国・遠い国)/ 第3章 世紀末芸術の特質(華麗な饗宴/ 魂の深淵/ よく見る夢/ 音楽性と文学性)/ 第4章 世紀末芸術の美学(象徴主義/ 綜合主義/ 科学主義)/ 結び 二十世紀への道

【著者紹介】
高階秀爾 : 1932年東京生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院およびパリ大学で近代美術史を専攻。国立西洋美術館館長をへて現在、大原美術館館長、東京大学名誉教授。ルネサンスから現代美術まで、あるいは西洋美術から日本美術まで、広い視野に基づく知性と独自の感性を駆使した明晰な研究と評論で知られる。『ルネッサンスの光と闇』で芸術選奨文部大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • HANA

    ビアズリーやクリムト。絵画や建築、音楽…19世紀末ヨーロッパに花開いた特異な花。本書はこの時期の芸術を論じた一冊である。ただ一人一人の作家を取り上げるのではなく、この時代の芸術の意義を総合的に取り扱うというスタイル。背景や特質、美学と分けて解説されているのので、個々人の作品を通じてしか世紀末芸術に触れることの無かった自分のような者にとっても、わかりやすくなっている。退廃や夜といったイメージのこの時代の芸術を、第二のルネサンスとする価値の逆転も面白し。これを読んだ今、改めて世紀末芸術に触れたくなりました。

  • 芍薬

    非常に簡潔で理解しやすい一冊。しかも美しい文章が雰囲気を盛り上げ、世紀末芸術的雰囲気の中で世紀末の解説を聞けるという素晴らしい体験でした。

  • ラウリスタ〜

    日本人が書いたものだから、筑摩に散見される愚にも付かない入門書の類かと思ったのですが、まったく違った。半世紀も前、日本がこれから高度経済成長の道を進んでいくという時に書かれた本。当時は19世紀末の芸術が悪趣味だとか思われていた時代らしい。20世紀初頭の芸術に乗り越えられたものとしての姿が印象強かったのだろう。そんな常識を覆した本。今でこそ常識となっている内容も、当時はなかなか衝撃的な内容だったはず。非常に広い内容を簡潔に、非常に読みやすく書いている。それでいて、付箋を何枚も貼るほど示唆に富む。最高の本。

  • koke

    再読。最後の印象派展とフォーヴィスム誕生までの20年の開きをゴッホ・ゴーギャン・セザンヌ・スーラで本当に埋められるのか?という問いに意表を突かれた。世紀末のアートワールドについての認識を正され、退廃的の一語でわかった気になるには惜しい独特の空気に触れることができる。意外と類書が少なく、いまだに代表的な世紀末芸術論と言えそうだ。奇しくも今日、高階先生が亡くなられたとのニュースを聞いた。ご冥福をお祈りします。

  • 魔魔男爵

    名文引用:エミール・エンヌカン《オディロン・ルドン氏は、われわれの時代の巨匠のひとり……それもゴヤを除いては先輩も競争相手もいない異色ある巨匠と見做さるべきである。彼は、現実と幻想との境界に荒涼たる土地を征服し、そこに恐ろしい亡霊、怪物、異様な単細胞生物、人間の悪徳や、動物の醜さや、害をなす事物などの組合わせで成り立っている怪獣群像を配置する。…ボードレールと同じように、ルドン氏も「新しい戦慄」を創造したという最高の賛辞を受けるに値するのだ。》:1890-1905年のアール・ヌーボーをネタにしながら、ゴヤ

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