迷えるウクライナ 宗教をめぐるロシアとのもう一つの戦い 扶桑社新書

高橋沙奈美

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784594093167
ISBN 10 : 4594093167
フォーマット
出版社
発行年月
2023年04月
日本
追加情報
:
288p;18

内容詳細

ロシアと同じ東方正教を信仰してきたウクライナは、今、揺れている。「この問題には言及するな」といわれるほどに危うい情勢下、正教徒にしてウクライナの宗教を専門とする筆者が、正教会という立脚点から複雑な両国の関係を解説する。今、ウクライナの宗教界で起きていることを描き出した本邦初の書。

目次 : 第1章 東スラヴにおける東方正教会の歴史と特徴/ 第2章 「未来よりも不確かな過去」―ロシアとウクライナの正教会の歴史/ 第3章 神の死、祖国の死―ソ連体制下のウクライナの正教会/ 第4章 ロシア正教会と「ロシア世界」の文明観/ 第5章 ウクライナの正教会―ロシアなきウクライナを目指して/ 終章 割れた洗礼盤

【著者紹介】
高橋沙奈美 : 1979年(昭和54)、静岡県生まれ。現在、九州大学大学院人間環境学研究院講師。京都大学文学部、ロシアのサンクトペテルブルク大学、ウラジーミル大学を経て、2011年、北海道大学大学院博士課程単位取得。博士(学術)。現在の主な研究テーマは、現代ウクライナの公共宗教、ロシアとウクライナにおける政教分離、宗教とナショナリズム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 紙狸 さん

    2023年刊。ロシア・ウクライナ戦争を背景に、正教会を深掘りした。予備知識が薄く、第1ー3章の正教会の歴史はありがたいのだが、読むのに苦労した。第4章はロシア正教会とプーチン大統領の関係。白眉は、ウクライナにおける正教会の状況を論じた第5章・終章。伝統的にロシア正教会と結びつきが強い「ウクライナ正教会」と、独立志向の勢力が合流した「ウクライナの正教会」が対立。前者について世論はロシアのスパイとして糾弾。政権は法的解体に向けて動く。著者はこうした動きに対して、ウクライナが持つ「多声性」に反すると批判的だ。

  • はる さん

    832年に起こったされるキエフルーシが取り入れたコンスタンティノープルからの正教が13世紀タタール人の支配のくびきを逃れ現在のモスクワ近く遷座したことから、ドニプロ川に起源し今に至るロシア正教会とウクライナ正教会(府主教座)であること。コンスタンティノープル総主教座管轄下のキーウから遷座したロシア正教会が何故、総主教座の位階を得たかは、ビザンツ帝国、オスマン帝国へと辿る中のキリスト教とイスラム教の攻め際合から独立できたモスクワの地政学によること。ロシア正教会が現在に至る威勢はロシア帝国のもとにあったこと。

  • Toska さん

    松里公孝『ウクライナ動乱』(https://bookmeter.com/reviews/117868882 )が政治と経済を深堀りしたのに対し、こちらはウクライナの宗教に特化した一冊。研究者としてのテンションの高さを隠していない松里氏に比べ、本書は現地の人々の心情を汲んだ悲痛なトーンが色濃く出ていて、著者の個性を感じさせる。合わせて読めば、色々な意味でウクライナ情勢への理解が深まることだろう。登録数が伸びていないのが解せないし、もったいない。

  • Masayuki Shimura さん

    【ウクライナは今、独立教会制をめぐる<民族原則>と<領域原則>が最も先鋭的な形でせめぎあう現場でもある】(文中より引用)・・・・・ロシア・ウクライナの水面下で生じてきた思想的・宗教的変化をよく理解することができるテキストでした。2022年2月以前から目まぐるしく事態が動いていた印象を受けましたが、やはりロシア・ウクライナ戦争が宗教面に与えた衝撃の大きさに改めて驚愕させられました。

  • Marcel Proust さん

    今現在ロシアによる侵略戦争を受けているウクライナにおける、東方正教を扱った貴重な一冊だ。侵略戦争の衝撃が、ウクライナにおける脱露入欧を劇的に加速させ、それが宗教界にも及んでいる。加害国ロシアの正教会のトップはソ連時代旧KGBのスパイであった事が発覚しており、戦争犯罪者プーチンの侵略戦争と「ロシアの世界」に賞賛を惜しまない人物である。このような人物がトップの組織の傘下にあるウクライナ正教会がモスクワの支配から逃れようとするのは当然だ。

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