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ISBN 10 : 4479320776
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天皇家と一体化するため血の争いに明け暮れ、権力の中枢を占める藤原氏。政権が道長に収斂されてゆくとき、不遇な中流貴族の娘がなぜ世界でも屈指の物語を書くことができたのか。多感な少女時代、早くして夫と死別、中宮の女房への抜擢、宮廷内の権謀術数、皇統の行方、物語に忍ばせた企み…複雑な心境が吐露される文献から紫式部の実像と平安文化のリアルを描く。紫式部の何が、どうすごかったのか。何を書こうとしたのか?一千年も読み継がれている人気の秘密とは!?「名前は知っているけれど、作品も大体見当がつくけれど」という人でも大丈夫。知っているようで知らない紫式部と『源氏物語』、教科書にはない面白さ!
目次 : 第1章 平安時代を覗いてみませんか(知るほど不思議な平安期の文化―漢字と仮名と絵と/ 恨みを抱えて死んだ者たち―政治の勝者と敗者/ 妻は複数で当たり前?―多情な男に悩まされる女たち/ 藤原道長の権勢極まる―時代を創った怪物/ まがまがしい京のまち―「もの」と病、そして…)/ 第2章 『源氏物語』構想の日々(漢学の素養をもつ娘―紫式部の生い立ち/ 父に付いて京を離れ―越前に下った経緯/ 年の離れた男との結婚―出会いと別れ/ 彰子のもとに女房として仕える―馴染めなかった初出仕)/ 第3章 独り心浮かれぬ回想録(渡る世間は鬼ばかり?―本意ならぬ人生/ 男子を産まねばならない重圧―彰子出産の記録/ 明日知れぬ流れに身を任せながら―運命に翻弄される憂い/ / 藤原道長と紫式部―日記が語る深淵なる関係/ なぜ清少納言に苛立ったのか―世の人に言いたい)/ 第4章 『源氏物語』の世界に分け入る(冊子制作を始めるころ―研究史の上で重要な一言/ 『源氏物語』の作者ということ―はかなき物語/ 光源氏というスーパースター―知ってるようで知らない/ あらすじで読む『源氏物語』―読み始めたら、もうやめられない)/ 第5章 読む楽しみは尽きない(四人の貴公子による恋愛談義―長編化の原動力/ 宿世遠かりけり―物語の軸となる課題/ やはり滅法おもしろい―恋の残酷/ すこぶる華やかな光源氏絶頂期―六条院の王権/ すべての歯車が狂っていく―憂愁の晩年/ / 「宇治十帖」という陰―次世代の物語)
【著者紹介】
高木和子 : 1964年生まれ。東京大学大学院博士課程修了、博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科教授。平安時代の仮名文学、特に『源氏物語』が生まれるに到る文学史的な動態を探ること、そして『源氏物語』そのものの構造や表現を分析することを研究課題としている。『源氏物語の思考』(風間書房)で第五回紫式部学術賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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