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プロレタリア文学とジェンダー 階級・ナラティブ・インターセクショナリティ

飯田祐子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787235145
ISBN 10 : 4787235141
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

階級という論点はいかにジェンダー化していたのか。大正から昭和初期のプロレタリア文学をジェンダーの観点から読み解き、「階級闘争におけるインターセクショナリティ」を浮かび上がらせる。

目次 : 第1部 プロレタリア文学場におけるジェンダーとセクシュアリティ(愛情の問題論―徳永直「『赤い恋』以上」/ 階層構造としてのハウスキーパー―階級闘争のなかの身分制/ プロレタリア文学における「金」と「救援」のジェンダー・ポリティクス―「現代日本文学全集」第六十二篇『プロレタリア文学集』にみるナラティブ構成)/ 第2部 女性表象のインターセクショナリティ(女性表象の「輪郭」をたどること―山川菊栄「石炭がら」を起点として/ メディアとしての身体―葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」の女性表象/ 吉屋信子の大衆小説におけるプロレタリア運動のジェンダーとセクシュアリティ―「読売新聞」連載小説『女の階級』/ 朝鮮戦争期のジェンダーと帝国主義の記述―佐多稲子の場合)/ 第3部 闘争主体とジェンダー(プロレタリアとしての娼妓表象―賀川豊彦「偶像の支配するところ」/松村喬子「地獄の反逆者」の行為性/ 残滓としての身体/他者―平林たい子「施療室にて」と「文芸戦線」/ 闘争の記録を織りなす―佐多稲子「モスリン争議五部作」における女工たちの表象/ 階級、性、民族のインターセクショナリティによる新しい関係性の回路―中本たか子「東モス第二工場」論)

【著者紹介】
飯田祐子 : 1966年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院人文学研究科教授。専攻は日本近現代文学、ジェンダー批評

中谷いずみ : 1972年、北海道生まれ。二松学舎大学文学部准教授。専攻は日本近現代文学・文化

笹尾佳代 : 1979年、徳島県生まれ。神戸女学院大学文学部准教授。専攻は日本近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 田中峰和

    大正デモクラシーは、明治以降敗戦までの間、唯一日本が右傾化から逃れようとした時期。普通選挙を求める運動や男女平等、労働運動などさまざまな集団が活躍した時代だ。この時期に開花したのがプロレタリア文学運動だったが、あくまでも労働者階級の現実を描く文学実践にとどまっていた。この文学運動はジェンダー構造からみたとき、階級と性にはどのような関係性が現れたのか。階級・労働運動という論点とジェンダーやセクシュアリティ、さらには民族や植民地主義などの論点の交差にも着目し、プロレタリア文学が内包する問題の可能性が描かれる。

  • 冬峰

    プロレタリアの知識ゼロで挑んだ。1つ1つの章は読みやすい。労働争議とか階級闘争とか言うけど、結局は男性が中心になると女性が周辺に置かれがち。たちが悪いことに、女性だと男性党員の金と世話を同志だからと押し付けられたり、結婚しないと正式党員になれなかったりする。ここも階級じゃないか。だが一方で女性の書き手による文学作品では、苦しい労働に耐える女工達が男性たちから知識を得て「自分達も一人前だ」と工場に対抗する決意を固める様子が描かれてグッとくる。知識や啓蒙は自分や仲間をを守り、鼓舞できる。そんな風に思えたが…

  • Э0!P!

    女工と女学生という異なる階級:女学生言葉は国家に作られた女性性ヒエラルキーの道具、女の階級:男性に虐げられる存在・同志のホモソーシャルな関係やシスターフッドのごとき純粋な愛情による関係を目指す、植民地に押し付けられた皇国の女性言葉:宗主国仕草は植民地の個人の尊厳を救うが集団間のヒエラルキーを強固にする

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