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竈神と厠神 異界と此の世の境

飯島吉晴

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061598379
ISBN 10 : 4061598376
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2007
Japan

Content Description

土間の柱に異形の面を取り付け、火難よけや家の守護神として祀られた竃神。偶像化はされず、精霊的な存在として河童譚や出産の習俗などと深く結びついた厠神。日本家屋の暗所に祀られたこれらの神々は、生死や新旧を転換する強力な霊威をもち、此の世と霊界との出入口に宿った。昔話や儀礼、禁忌など伝承を博捜し、家つきの神の意味と役割を探る。

目次 : 竃神の象徴性―生と死の媒介者/ 金工と錬金術/ 家と火―竃・イロリの火を中心に/ 産屋の火―火の媒介機能を中心に/ イロリをめぐる習俗―裸回りの深層/ 厠考―異界としての厠/ 厠と化粧―変身のフォークロア/ 黄金と糞便のフォークロア/ オタナサマ信仰の周辺―東北地方の家の神信仰を中心に/ オタナサマの性格/ 年徳神と疱瘡神/ 庚申信仰試論―転換の論理としての庚申/ 橋の民俗/ 柿の民俗/ 狐の民俗―「狐に化かされた話」を中心に/ 狐火とミカワリ婆さん

【著者紹介】
飯島吉晴 : 1951年、千葉県生まれ。東京教育大学文学部卒業。筑波大学歴史・人類学助手、講師を経て、天理大学教授。専攻は民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 柳葉魚

    読み終わった後、まんが日本昔話が観たくなりました。漠然と観ていた昔話の裏側に、様々な事情が隠されていたのですね。ただ、文章は繰り返しが多かったり、馴染みのない固有名詞をさもお前ら当然知ってるよな的な感じでぶっ込んでくるので、ん?となる事がありました。まあ、執筆されたのは数十年前のようだし、当時は昔話やら何やらがもっと身近だったんでしょうね。あと個人的に柿が苦手なので、柿を好んだ昔の人の感覚が理解できない。無理すれば食べられるんだけど。って、そんな事はどうでもいいか。

  • 寺内町亭小天狗

    家の隅々に、神様が存在する。各々の神様を大事にする、尊敬することで、災厄から逃れることができます。火の神様には竃神、便所の神様には厠神が居られます。”竃神と厠神は、特に粗末にしてはいけない。”と云われております。清掃(男性は厠神、竃神は女性)は、怠ることなきようにすることです。 最後の文章の「陥穽が蔓延・・・」には、身が痛い言葉です。是非とも、読んでもらいたい書籍です。

  • とまる

    最近は「竈」がそもそも聞き慣れない存在になっている。だから、今も妖怪の温床(?)になっている「厠」のほうが境界というイメージはしやすいのかもしれない。というか、去年ヒットした「トイレの神様」で厠神はとても有名になった気がする。(しかし「紅白を見て民俗学に興味を持ちました!」という奇特な人はあまり居なかったのが残念。) さておき、家内の境界について書かれているワケだけれど 少し境界というモノに固執しすぎている感じもする。もう少しケガレや女性とも関連付けされていたら、もっと目新しい気持ちで読めたかもしれない。

  • misui

    家屋に表と裏の概念を導入し、神棚や仏壇に祀られる公的な神と、台所や納戸や土間に祀られる私的な神があるとする。本書では精霊的な裏側の神を論じる。家の内なる異界を象徴するこの神は、様々な儀礼や民譚と結びつき、年中行事や農耕・人生儀礼といった生活の具体的なところに関わる機能神の性格が色濃い。共通するのは異界とこの世の媒介者であるという点で、境界を司る性格ゆえに時間や秩序の更新に関わってくる。現在では廃れてきているとはいえそこから古人のコスモロジーが垣間見えるのは面白い。共同体の外だけでなく家の中にも異界はある。

  • さんとのれ

    再読。家の中の暗がりにこの世と異界との境界を認め神を祀る。消化と再点火=秩序と再生を司る竈神やものが転換する場である厠神。辻や橋だけでなく家の中にまでなぜこれだけの境界が必要とされたのかはまだよくわからない。

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