絞首刑 講談社文庫

青木理

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062774079
ISBN 10 : 4062774070
フォーマット
出版社
発行年月
2012年11月
日本
追加情報
:
368p;15

内容詳細

国家の名のもとに、命を奪う「死刑」。著者は、数々の証言から執行現場を再現しつつ、実際に起きた五つの事件を通して処刑に至る道程を検証する。なかでも、一九九四年発生の連続リンチ殺人事件で死刑判決を受けた元少年たちへの取材は精緻を極める。死刑制度の根幹に迫った、渾身のルポルタージュ。

目次 : プロローグ 憂鬱な儀式/ 元少年たちの罪と罰/ 栃木・今市四人殺傷事件/ 愛知・半田保険金殺人事件/ 埼玉・熊谷四人拉致殺傷事件/ 福岡・飯塚女児殺害事件/ エピローグ 元少年たちと私の「その後」

【著者紹介】
青木理 : ジャーナリスト、ノンフィクションライター。1966年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、1990年から2006年まで共同通信記者。この間、ソウル特派員や本社社会部で警視庁の警備・公安担当記者などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 奥澤啓 さん

    死刑。法治国家でもっとも重い刑罰。ジャーナリスト青木理が5つの事件を精緻に再取材する。残虐きわまりない方法で殺人を犯した少年たち。生育環境の劣悪さは犯罪をうみだす温床である。クリスマスに刑を執行された、車イス生活の高齢の死刑囚。国際社会から非難されたという。自然死を待ってもよかったのではあるまいか。刑の執行にたずさわる刑務官の懊悩、苦悩には、想像を絶するものがある。その他、被害者側遺族の複雑な心情。EUに加盟するには死刑制度がないことが条件のひとつであることを、本書ではじめて知った。重い読後感が残る。

  • 奥澤啓 さん

    私は死刑に反対です。人間にはいかなる生命をも否定する権利がないと考えるからです。生命を否定することは、生命が誕生した地球を否定すること。地球を否定することは、地球が誕生した宇宙を否定することだという、素朴な考えからです。

  • James Hayashi さん

    やはり冤罪の事件に触れると憤慨してしまう。帝銀事件の平沢死刑囚に触れているが、彼が死刑にならなかった(87年に95歳で獄死)のは、法務省の刑事局が公判記録を取り寄せ精査する作業で滞ってしまったからだという。しかしその内容は明かされることがなく不透明さがある。この刑事局による精査を外部機関に委託することにより、新たに後半が正しかったか判明するのでないか?これにより身内を守ろうとする現在の状況も変えることができる。また不透明さがある(死刑をするかどうかの)最終判定が可視化すると思うのだが。→

  • James Hayashi さん

    つまらないと思いながら読み進めていたが、福岡飯塚女児殺害事件に触れ驚かされた。 直接証拠は全くなく、状況証拠にての逮捕立件、最高裁での終身刑の判決。そして被告は死刑にされてしまったが、彼は一度として自分の罪を認めず完全否認。絞首刑実行後、足利事件でのDNA鑑定が問題になり冤罪事件となったが、この飯塚の事件も同じ科警研であり、技術的レベルは曰く付き。またもややってしまった日本の刑事司法。あまり読む意味を感じなかったが、上記を読み「殺人犯はそこにいる」を読もうと思った。

  • きょちょ さん

    堀川恵子著「教誨師」の方が衝撃度は強かったが、この本も深く考えさせられた。 「埼玉・熊谷四人拉致殺傷事件」の死刑囚尾形英紀、自分が死刑になることは肯定したうえで「死刑になることは償いになっていない」と言う。では本当の償いとは何だろう、償いなどできるのか。 「福岡・飯塚女児殺害事件」、これは冤罪ではなかろうか。冤罪となった足利事件と同じDNA鑑定者。しかも足利事件の冤罪を見越して異例の早さで死刑執行。これは法務局の殺人ではないのか? 加害者・被害者家族への赤の他人からの無言電話や脅迫状には憤慨。★★★★★ 

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青木理

1966年生まれ。共同通信記者を経て、フリーのジャーナリスト、ノンフィクション作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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