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この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代

Karin Amamiya

User Review :3.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784272330973
ISBN 10 : 4272330977
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2019
Japan

Content Description

命の選別は「しかたない」のか?「生産性」「自己責任」「迷惑」「一人で死ね」…不寛容な言葉に溢れたこの国で、男は19人の障害者を殺した。「障害者は不幸しか作らない」という線引きによって。沈みゆく社会で、それでも「殺すな」と叫ぶ、命をめぐる対話集。

目次 : 序章 私自身の「内なる植松」との対話/ 第1章 植松被告は私に「いつまで息子を生かしておくのですか」と尋ねた―神戸金史×雨宮処凛/ 第2章 「生産性」よりも「必要性」を胸を張って語ろう―熊谷晋一郎×雨宮処凛/ 第3章 命を語るときこそ、ファクト重視で冷静な議論を―岩永直子×雨宮処凛/ 第4章 ロスジェネ世代に強いられた「生存のための闘争」の物語―杉田俊介×雨宮処凛/ 第5章 みんなで我慢するのをやめて、ただ対話すればいい―森川すいめい×雨宮処凛/ 第6章 植松被告がもしも「べてるの家」につながっていたら―向谷地生良×雨宮処凛

【著者紹介】
雨宮処凛 : 1975年北海道生まれ。作家・活動家。フリーターなどを経て2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国 雨宮処凛自伝』(太田出版、ちくま文庫所収)にてデビュー。2006年から貧困・格差の問題に取り組み『生きさせろ!難民化する若者たち』(太田出版、ちくま文庫所収)でJCJ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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世間を震撼させた相模原事件をテーマに、著...

投稿日:2021/03/16 (火)

世間を震撼させた相模原事件をテーマに、著者が様々な分野の専門家と対談したものです。 憎むべき事件であると改めて感じるとともに、犯人を責めるだけでは足りない何かがあると思いました。

とらばたー さん | 北海道 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ちえ

    津久井やまゆり園の事件に関し雨宮氏と6人の方との対話。福生市の人工透析中止事件も話題に入り、新たに知る事や気づく事が多い。特に自閉的の息子を持ち、植松被告と面会を続けてきた新聞記者、神戸氏の言葉に重みを感じる〈彼には決定的に欠けているところがある。「障害者のお母さんがかわいそうだから代わりに殺してあげたのだ」と主張しても、実際にそのお母さんに「殺して欲しいですか」と聞いたわけではない。全部彼の頭の中の思い込みです…パニックを起こして走り回る子どもをどうすることも出来ないお母さんを見て大変そうだと思った…↓

  • イトノコ

    障害者施設大量殺傷事件を承けた対談集。これまで私は、植松被告は施設で働いている間に障害者に恨みを抱くことがあり、それに適当な理由を繋げて事件を起こしたのだろうと思っていた。しかし本書を読んで思ったのは、彼も自分の事を「役に立たない存在」だと感じており、そこから「役に立つ存在」に昇華したいという願望に世間に広まる過激な言説がコネクトして、事件が起こったのではなかろうか。その背景にあるのは、世間の「標準」から外れた者を排斥・攻撃する空気だ。普通に働き、普通に結婚し、普通に子供を産み育てる、と言うような標準。

  • 踊る猫

    読後、明るさを感じた。いや、そんなに面白おかしい本ではない。相模原の凄惨な殺人から始められたこの6つの対話はシリアスで、障害者(私も発達障害者なのだが)として暮らすこと、そもそも誰もが生きづらさを抱えてしまっている今の日本の事情など、示唆に富む。だが、彼らは彼らなりに(7者7様?)処方箋を提示しており、それはファクトを重視した丁寧な議論や話を最後まで聞くコミュニケーションの重視など、バカにできないものが挙げられている。丁寧な議論も対話もムダが多くこのネット社会ではまず切り捨てられるもの。そのムダが宝なのか

  • ゆう。

    なんでも自己責任社会は、ネトウヨなどの排外主義と深く結びついている。生産性があるかないかで人々が評価され、自分であることが難しい社会。その延長線上に相模原事件があるのではないか。この本から学ぶことは多かった。

  • 長くつしたのピッピ

    相模原事件を軸に障がいのある子を持つ記者、自身が身体障害のある小児科医、精神科医、ソーシャルワーカーとの対談を通して現代の生き辛さを語り合う。不寛容は、寛容ではないと言う事。つまり優しくない世の中を考える。表向きは差別用語に対する規制が厳しいのに、スラングとしてネットではびこっている現実。それは、自分が子どもだった時より激しい気がしてならない。自業自得、自助努力、自己責任。弱い人全てに向けた冷たい言葉。個人の力ではどうにもならない現実だがそれでも困っている人に手を差し伸べる自分でいたいと強く思う。

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