建築家、走る

隈研吾 (建築家)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784103335610
ISBN 10 : 4103335610
フォーマット
出版社
発行年月
2013年02月
日本
追加情報
:
222p;20

内容詳細

世界中から依頼が殺到する建築家、隈研吾。悩みつつも疾走する日々とは?


話題の歌舞伎座建て替えは、アメリカでの発見や東京での挫折、地方での本領発揮、怒濤のコンペ参加など紆余曲折を経ての集大成。ぐだぐだ悩みながら、ぐるぐる世界を回ってる――年始から6ヶ国を世界一周チケットで回り、地球のいたる所で打ち合わせを重ねる生活。自らを「競走馬」に喩え、挑戦し続ける建築家の生の姿がここにある。


隈研吾 クマ・ケンゴ
1954年、神奈川県横浜生まれ。1979年東京大学大学院建築学科修了。コロンビア大学客員研究員、慶應義塾大学教授を経て、2009年より東京大学教授。主な作品は「亀老山展望台」「雲の上のホテル」「水/ガラス」「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」「石の美術館」「竹の家」「那珂川町馬頭広重美術館」「ブザンソン芸術文化センター」「サントリー美術館」「梼原町役場」「グラナダ・パフォーミング・アーツセンター」「根津美術館」「エクサンプロヴァンス音楽院」「マクドナルド公共複合施設」「ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム・ダンディー」「雲の上のギャラリー」「GCプロソミュージアム・リサーチセンター」「リヨン/HIKARIプロジェクト」「アオーレ長岡」など、国内外に多数。著書に『10宅論』『負ける建築』『自然な建築』『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(『新・都市論』と『新・ムラ論』は清野由美との共著)『日本人はどう住まうべきか?』(養老孟司との共著)など。


目次
悩んでいる日々を


第1章 世界を駆け回る
世界一周チケットで/建築家は競走馬/20世紀型建築家出世すごろく/建築は戦闘能力を持っている/新たなクライアントの台頭/中国四千年の利益誘導/中国こそ「文化」と「環境」の国家?/やってらんないよ!/利用される「隈研吾」ブランド/中国の「オーナー文化」、日本の「サラリーマン文化」/礼を尽くした「恋愛」/やっぱりフランスは手だれ/ユダヤ人は、メディアと建築の支配者/ロシア人の本領は妄想にあり/海賊版が出て、オメデトウ/ぼくって、田舎の人間なんだ


第2章 歌舞伎座という挑戦
栄誉よりも重い困難/新しい建物は褒められない法則/艶っぽい歌舞伎座/モダニズムと数寄屋の融合/唐破風をめぐる攻防/東京にバロックを/すったもんだのおかげ/世界でも希有な歌舞伎ワールド/夢でうなされる


第3章 20世紀の建築
住宅ローンという“世紀の発明”/真っ白なお家と真っ黒な石油/オイルショックで最初の挫折/サラリーマンをやってみた/ニューヨークの地下で日本の悪口/ディベート重視のワナ/別の場所で勝負してやる/コルビュジエとコンクリート/安藤忠雄建築とコンクリート/理屈でなく腕力が必要だ/人間心理に付け込むコンクリート/マンションを所有する「病」/コンクリート革命を超えるには/あきらめを知ったら、人生が面白くなった/淋しい母親/もっと淋しいサラリーマン/役人は海岸にも手すりを付けたい/現場のない人たち/「ともだおれ」を見直す


第4章 反・20世紀
バブルで浴びた大ブーイング/右手がダメになった/地方とはヒダのこと/見えない建築(「亀老山展望台」)/見えない建築の進化(「水/ガラス」)/予算がない=アイディアが出る(「森舞台/登米町伝統芸能継承館」)/石を使い尽くす(「石の美術館」)/やがてライトの建築につながる(「那珂川町馬頭広重美術館」)/成金手法の流行/オレはいったい何をやっていたのか/苦労、覚悟、挑発、開き直り(「竹の家」)/行け、現場へ/自分の基準を乗り越えていく/中央嫌いのひねくれもの/不況に感謝/原点にあるボロい実家/なぜ日本が建築家を輩出するか


第5章 災害と建築
建築家の臨死体験/人類史を変えたリスボン大地震/死を忘れたい都市/死の近くにいる建築家/小さなものから出発する/壊れ方だって一つじゃない


第6章 弱い建築
虚無を超えて/「建築ぎらい」/激しい移動が建築家を鍛える/「直接会う」が必要な理由/秒速で判断する/使える人材を見抜くオリジナル面接/組織運営も手腕のうち/けなされたくないんです/自分を疑えて幸せだった/反ハコの集大成「アオーレ長岡」/下から目線で「絆」ができる/ディスコミュニケーションだって、コミュニケーションだ/「楽しさ」を真剣に楽しむ


あとがき 清野由美



【著者紹介】
隈研吾 : 1954年、神奈川県横浜生まれ。1979年東京大学大学院建築学科修了。コロンビア大学客員研究員、慶應義塾大学教授を経て、2009年より東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • どんぐり さん

    プレゼンテーションからプレゼンテーションへと駆け回る隈研吾が、建築について熱く語っている。都市や建築に関わる人の考え方までが、「とにかくリスクを取らない、取りたくない」サラリーマン的なマーケティング主義に染まり、建築のデザインもどんどん保守化してしまったという。戦後から今に至るまでの日本の「私の家」をめぐる幻想は、住宅ローンによって一生を会社にしばられるサラリーマンと、家に閉じ込められた専業主婦を生み出した。コンクリート建築というのは、仮設住宅のようなものという指摘も面白い。

  • ビイーン さん

    「隈研吾氏ってこういう考えの建築家だったのか」と氏の仕事に対する姿勢や思想を理解させてくれる本だった。「何かが生まれるプロセスを、真剣な思いの人たちと共有する楽しみの方が、はるかに上です。中略。楽しい状態をまず作らないと、その先の完成度は期待できないのです」なるほど、考えさせられる。

  • しーふぉ さん

    隈研吾の講義を受けているようで面白かった。竹や木材、石材などを素材として用いる理由の一つに前世代のコンクリート打ちっ放し信仰に対するアンチテーゼの意味合いがあるみたいです。学生時代に安藤忠雄の事務所を訪れ、本人から代表作を案内された思い出など、本人ならではの内容です。竹の家は行けないにしても、石の美術館などは行ってみたいな。

  • 夜長月🌙@5/19文学フリマQ38 さん

    隈研吾さんはもふたまさんに教えてもらった建築家。太宰府のスタバ、銀座の歌舞伎座などが有名です。しまなみ海道の亀老山展望台も作りがとてもユニーク。最高の形で景色を見せてくれます。おすすめします。建築家の務めは設計だけでなく、何十年も施主といい関係を築くことだとか。広重美術館、木橋ミュージアムもいつか見てみたい。

  • kochanosuke さん

    休日だからこそのノンストップで読了。高名な建築家の書く文章なのに、少しも抽象的でなく格好つけたところもなくて、共感できたし楽しめた。

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