目明し金十郎の生涯 江戸時代庶民生活の実像 中公新書

阿部善雄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121006042
ISBN 10 : 4121006046
フォーマット
出版社
発行年月
1981年02月
日本
追加情報
:
218p;18

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読書メーターレビュー

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  • 印度 洋一郎 さん

    時代劇でお馴染みだが、よくわからない目明しの実態を、水戸藩の分家筋の小藩の半世紀近い記録から再現する。目明しは、公権力が末端の行政機構に取り込んだや○ざであり、中には利権を貪る悪徳目明しもいたが、この本の主役である金十郎はそうとも言い切れない。私利私欲のために芝居の興行元をする事もあったが、犯罪の捜査・摘発や他藩への潜入捜査、果ては金山開発の支援まで、藩当局の様々な業務を請け負う危険な職務だった。藩を超えた目明し同士の連携や、やくざ、河原者とのネットワークなど江戸時代の知られざる裏社会の姿が垣間見える。

  • Arte さん

    江戸時代に警察の手下的なことをしていた半分ヤクザみたいな顔役の仕事についてまとめた話。庶民が1人村から出奔しただけでも、捜索隊が出されて(必ず親族同行、旅費は自腹)、探したけど見つからないこともよくあったり、何か違法行為をしても、寺に逃げ込んだら寺が匿ってくれてお咎めなしになる慣習があったり、隣の藩の警察が自藩の領地で犯罪者に縄をかけたら大騒ぎになったり、出稼ぎに行ったと思っていたら、実は隣の藩で足軽やってる農民がいたり、顔役に芝居興行を許可することが給料替わりになっていたり…

  • unpyou さん

    福島県郡山あたりを治めていた守山藩の記録を元に、やくざ者をやりながら藩の御用も勤めた目明かしの仕事を通して農民生活の実情を追っていく地味ながら非常に興味深い一冊。この辺りは寺への駆け込みが男女ともに慣習になっており、お上に罰せられそうになると農民たちはすぐに寺に駆け込んで庇護を求めると僧侶が陣屋に出頭し交渉。数日間するとお許しが出る仕組みという。寺にこんな役割が!たまに強盗などといった駆け込み対象外の重大事件が起きると入牢となるが何しろ普段使ってないため牢屋を修理しないといけなくなる…というくだりには苦笑

  • うんの さん

    陣屋の役人がやけに切れものに見えるのは役人が作成した資料が元になっているから?

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阿部善雄

1920‐1986。台湾生まれ。45年東京帝国大学文学部卒業。東京大学史料編纂所教授、聖心女子大学講師を歴任。専攻江戸時代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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