父を想う ある中国作家の自省と回想

閻連科

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309207049
ISBN 10 : 4309207049
フォーマット
出版社
発行年月
2016年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
223p;20

内容詳細

小学校の美しい先生、都会から来た女の子、下放で村を訪れた知識青年たち、難病を患う長姉、毛沢東語録、『紅楼夢』…。父の世代の苦労と努力は、次の世代を育む土壌・陽光・雨水であった。人間の尊厳と人生に対する深い理解を示す傑作エッセイ。

【著者紹介】
閻連科 : 1958年中国河南省嵩県の貧しい農村に生まれる。高校中退で就労後、20歳のときに解放軍に入隊し、創作学習班に参加する。1980年代から小説を発表。軍人の赤裸々な欲望を描いた中篇『夏日落』(92)は、発禁処分となる。その後も精力的に作品を発表し、中国で「狂想現実主義」と称される『愉楽』(2003)は、05年に老舎文学賞を受賞した。一方、長篇『人民に奉仕する』(05)は2度目の発禁処分となる。さらに「エイズ村」を扱った長篇『丁庄の夢』(06)は再版禁止処分

飯塚容 : 1954年生まれ。中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • harass さん

    現代中国作家のエッセイ。父、叔父、伯父や家族との思い出や子供時代を率直に優しく語る。小作農出身の著者が中国の農村の生活の日々や労働など、現代日本ではもう見られないほどの貧困や生きることの苛烈さと、それらからの脱出と後悔が綴られている。文化大革命時の都市部インテリの放下の実際などいろいろ興味深いところがある。読み慣れない中国人作家のせいか、表現や考え方に癖を感じた。邦訳の作品はだいたい読んでいるがやはりロマンチシズム溢れる作家だ。

  • 燃えつきた棒 さん

    作者が父母や親族に寄せる眼差しのやわらかさが胸を打つ。 映画で言えば、マイケル・ウィンターボトムの「ひかりのまち」のような味わい。 それほど厚い本でもないのに、特別活字が小さい訳でもないのに、何故か涙が止まらなかった。

  • けいと さん

    文革の時代の知識青年から見た小説は読んだことはあるが農民からの視点であの頃を見るとやはり大きく違うものだと感じた。 ー都会に人々は日々の「暮らし」を「生活」と呼ぶ。田舎の人は「生活」を「暮らし」と呼ぶ。ー 閻連科の書く小説は泥臭い。黄土を這いずり回って生きてきた彼の父や叔父、そして農民たちの生きてきた証なんだと思う。

  • きゅー さん

    文化大革命時代を生きた閻連科と、彼の父や親族の生き様が綴られる。同じ中国の作家、高行健の作品のように、ここには自己に対する途方もなく冷徹な視線がある。この情け容赦なく自分の身と心を切り刻む筆致には寒気を覚える。しかし、それは摩耗した感情から生まれているのではなく、作家として、あるいは人間として不退転の決意で書かれたものであり、一文字一文字に彼の血涙を見るようだ。父の死の場面などは偉大な悲劇作品におけるカタストロフに匹敵する。言葉というものがこれほどまでに暴力的で、荒々しく、なおかつ叙情的であり得るとは。

  • Roadblue さん

    私と同い年の閻連科は、25、6歳の時に父を亡くしている。貧乏を運命付けられた農村に生まれ、58歳の人生を生きた閻連科の父、伯父、叔父を中心に家族の思い出が描かれている。自分自身や父に対する痛悔の念も。 美しく取り繕うことなく、赤裸々という印象でもなく、家族への暴力、博打好き、見栄や貧乏などが書かれ、しかも、父や伯父、叔父に対する尊敬や暖かい恋慕の思いがしっかり伝わってくる。 先に読んだ「年月日」の先じいとメナシのモデルはこの三人だろうか。 身につまされる部分もあり読んでいて多少痛い気持ちもする本であった。

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