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日本敵討ち異相

長谷川伸

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336050250
ISBN 10 : 4336050252
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2008
Japan

Content Description

執念の鬼と化した人間と人間との、凄絶なる葛藤絵図。物語として美化され伝えられてきた「敵討ち」。幾百の史料から異質な「敵討ち」を選び、冷徹な筆致で描いた連作歴史小説の金字塔。著者晩年の代表作。

【著者紹介】
長谷川伸 : 1884‐1963。横浜生まれ。小学校を中退し、土木請負業の現場小僧や鳶人足など職を転々とし辛酸をなめる。二十歳のとき横浜新聞社に入社、都新聞に転じ、かたわら創作を開始。菊池寛に認められ「夜もすがら検校」によって文壇の地位を築く。昭和3年に発表した「沓掛時次郎」で、いわゆる“股旅”ものの流行作家となる。代表作「瞼の母」「一本刀土俵入」「関の弥太ッペ」などは今に至るまで繰り返し上演・映画化されている。長篇『荒木又右衛門』(昭和11年)以降、史伝物にも筆を進め、『日本捕虜志』『日本敵討ち異相』などの傑作を発表した。「二六日会」「新鷹会」といった勉強会を自宅で開いて、大衆作家の育成に尽力し、ここから村上元三、山手樹一郎、山岡荘八、池波正太郎、平岩弓枝らが育った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ukiyo_san

    傑作。優れた歴史小説は凡百の歴史研究よりも遥かに豊かで有機的なイメージを与えてくれるということを明証している。時代小説にありがちな、痛快さを見せるために筆が滑るということは殆ど無く、史料や先行する仇討ち物を丹念に研究した跡が窺える。現地にも自ら足を運んだに違いない。そして、自制のきいた筆致でありながら、各編色合いが異なってそれぞれ味わい深い。毎夜一話ずつ楽しみたい、そんな傑作。

  • クロネコ

    面白かった。敵討ちのなかでも異様なものを集めて、主観を抑えた文章で書かれたまさに異相は迫力がすごい 日本人がこんなにも復讐に人生をかける時代があったのだとカルチャーショック。

  • にかの

    「敵討ちは日本人が発明した不思議な『正義』の手段である。身近な人間を殺されて仇を討つわけだが厳しいルールがあった。最も異様なのは『理がどちらにあり非がどちらにあったのか』を問わないこと。討つ者は善人で討たれると悪人になる。」という某氏の評論が示す通り、この本には日本の特殊な風習であった敵討ち、そのなかでも著者である長谷川伸氏が選りすぐった実例を取り揃えた本です。池波正太郎が師事したことのあるほどの方なので腕は確か。簡潔でわかりやすい文章のなかに読む人をその世界観に引きずり込む深さがある一冊です。

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