Books

世界史の構造的理解 現代の「見えない皇帝」と日本の武器

長沼伸一郎

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569852256
ISBN 10 : 4569852254
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
June/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日本の歴史においては、国難の折に「理数系武士団」と呼ぶべき集団がまとまって出現し、彼らが、国が普段はもたないような大きな力を与えていたのではないか(中略)ただしそれは、言葉から一見想像されるように、「モノづくりの力を国のために活かす」という意味ではない。むしろそれらの人々が、狭い理系の専門分野から脱し、国が進むべき戦略などに関して、これまでの文系的な一般常識を超えた独創的なビジョンを生み出すことで、国を先導する役割を果たしたということである。(第一章より)

目次 : 第1章 日本の歴史の節目や国難に現われていた理数系武士団/ 第2章 「世界統合」vs「勢力均衡」の構造でみた世界史/ 第3章 帝国化の宿命を負った中国の地形/ 番外編1 歴史を正しく把握するための「歴史換算年齢」/ 第4章 資本主義を誤らせた天体力学の幻惑/ 第5章 現代世界の「形のない皇帝」/ 番外編2 われわれは「準四次世界大戦」の只中にいる/ 第6章 環境問題を包括する最重要問題/ 第7章 コラプサー化を阻んだイスラム文明とその「微積分学」どの敗北/ 第8章 歴史のなかの「世界交通網」が生んだ日本の特殊性/ 第9章 世界の出口はどうすれば見出せるのか/ 第10章 日本の出口はどう拓かれるか

【著者紹介】
長沼伸一郎 : 1961年東京生まれ。早稲田大学理工学部応用物理学科(数理物理)卒業後、同大学理工学部大学院中退。1987年、自費出版『物理数学の直観的方法』(通商産業研究社)の出版によって、理系世界に一躍名を知られる。その後も組織には属さず仲間と一緒に研究生活を送っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ひろき@巨人の肩

    前作「現代経済学の直観的方法」の後半より続く、世界の社会と歴史の構造化。人類の短期的願望が社会を縮退させてコラプサー状態に陥れる。その脱却の際に、君主制↔︎貴族制↔︎民主制への移行が起こる。現在はSNSで統合された「個人の短期的欲望」の集合体により支配されている。これまで社会秩序という形で長期的願望を牽引した宗教が衰退する中、何を指針に社会は変わっていくべきか。個々の人間が自己実現欲求のフェーズに移行することが1つの解のようにも思うが、知の集合体としてAIによる統治もあるように感じた。

  • 007 kazu

    物理学者の見る歴史観。論理が飛びすぎ「妄言」かと思う一方でトクヴィルを引用した「実体のない主権」や未来予測としてコプラサー化の話など地に足の着いた話もあり、その振れ幅がすごい。アカデミーの世界では到底受け入れられないだろう本作であるが、やはり在野の研究者であった。日本の今後の知的戦略を最後に提言しており、納得感を得られる素養は私にはないが熱量は感じる。やはり「妄言」としか感じない人も多いだろうが読み物としては面白く傾聴すべき話もある。案外、こうした言説を受け入れる度量が政策決定者もアカデミーも必要かも。

  • haruka

    物理の視点で世界史を眺める試み。’サピエンス全史’'や地政学の'100年予測'にも通じる内容。現代の見えない皇帝はもちろん多国籍企業であり、非人格的なそれとともに世界を支配する「自由と平等」はやがて、真の意味での多様性を消滅させる。人を怠惰にし、日に日に市民の自由意思を無用なものにしていく。イスラム教は過去のそれに対するワクチンだった。イスラム教は商業的退廃に対する強い耐性を備えているから。その力で地中海を制覇した彼らが負けた真の理由はレパントの海戦ではなく、微積分学での大海戦だったとする視点は面白い。

  • tonpie

    「社会が縮退していくと長期的願望が成立しにくくなってゆき、(人は)短期的願望だけでしか動かないようになってゆく。縮退した社会では人々のデリケートな(一般意思)は消滅して、露骨な短期的願望が集団的に増幅しただけの(全体意思)に覆われてゆく」・・・グローバリゼイションの本質について、ここまで納得できる説明は初めて。「縮退」「コラプサー状態」という恐ろしい概念。トクヴィルの著作「アメリカの民主政治」第二部から「快楽カプセル」の話までは、非常に刺激的です。「理系武士集団」というキーワードは、やや怪し気だけど。

  • ta_chanko

    現代文明はグローバリゼーションによる世界統合がすすみ、物質的豊かさの反面、多様性が失われて画一化へと向かっている。短期的欲望が長期的願望を呑み込み、「縮退」や「コラプサー」と呼ばれる状態に。そもそも宗教(一神教)は短期的欲望の暴走に対するワクチンとして生まれたもの。宗教・倫理なき現代に、文明の危機を乗り越えることは可能か?日本の停滞を打ち破るのは、幕末維新のような国難の危機に現れる「理数系武士団」。欧米へのキャッチアップではなく、普遍的な「知的制海権」を獲得し、現状を打破していくしかない。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items