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ISBN 10 : 4634152479
Content Description
今日、宣戦布告による国際法上の戦争ではないが、実質的には大きな戦闘が続いている。このような中で、戦争と宗教の関わりを探ることも意味があろう。宗教には、殺すことへの禁忌、すなわち不殺生戒があるが、広狭様々であり、戦争についても、不戦・義戦・聖戦と様々である。原初の仏教では、人間すべてのみならず、生類すべてに対する不殺生戒があった。イエス時代のキリスト教では、生類すべてではないが、人間については絶対的不殺生戒があり、不戦が原則だった。モーセの十戒「汝、殺すなかれ」のユダヤ教では、「まともな人間」についてのみ不殺生戒が及び、エホヴァの神とその信徒を害する者を討つことは聖戦であった。最新の一神教イスラムも同様である。しかし、時とともに不殺生戒も、戦争についての宗教の見解も変化していく。原則、「不戦」であったキリスト教も、「義戦」を認め始める。本講では、代表的諸宗教の各々の不殺生戒と戦争論について、各々を専門とする第一線の研究者がわかりやすく解説する。
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〈目次〉
第一講 キリスト教の戦争論 黒川知文
――聖書と神学、クリスチャン(トルストイ、内村鑑三、ヴェーバーほか)の言説から
第二講 宗教戦争と民族紛争の本質構造 黒川知文
――十字軍、三十年戦争、パレスティナ戦争など
第三講 正教会(東方教会)の戦争論 黒川知文
――プーチン・ロシアにおけるビザンティンハーモニーの復活が意味するもの
第四講 ユダヤ教における聖戦 志田雅宏
――理念と実践のはざま
第六講 イスラームは「戦争」をどう考えるか 鎌田 繁
――クルアーンと古典的法学、「反体制派のジハード論」
第六講 ゾロアスター教の戦争イデオロギー 青木 健
――「世界最古の啓示宗教」とサーサーン朝ペルシア帝国
第七講 ヒンドゥー教の古典にみる「宗教と戦争」 杉木恒彦
――クシャトリア(戦士)の役割と救い
第八講 ジャイナ教の不殺生戒と戦争 上田真啓
第九講 初期仏教と上座部仏教の戦争言説 馬場紀寿
第十講 大乗仏教から考える戦争と平和 箕輪顕量
――『法華経』『涅槃経』を手がかりに
第十一講 儒教における「人を殺すべき場合」 小島毅
【著者紹介】
鈴木董 : 1947年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、法学博士。専攻はオスマン帝国史、比較史、比較文化。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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