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江戸の風評被害 筑摩選書

鈴木浩三

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480015723
ISBN 10 : 4480015728
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

資本主義的な市場経済が発達していた江戸期は、「生き馬の目を抜く」社会であった。相場や貨幣改鋳、自然災害、役人の人事動向など、損得に関わる情報は瞬く間に拡がった。なかには虚説や、故意に脚色された風説やうわさもあった。こうした「風評」は、人びとの行動を左右し、政治経済をも動かした。触書などの史料をもとに風評被害の実態とその背景を読み解き、群集心理から江戸の社会システムに迫る歴史読物。

目次 : 第1章 蕎麦を食べると当たって死ぬ―食品をめぐる風評被害/ 第2章 水道に毒が入れられた!/ 第3章 大地震と風評―社会不安を煽る虚説/ 第4章 貨幣改鋳と浮説・虚説―お金をめぐる風評被害/ 第5章 改鋳浮説の予防と金銀通貨統合をめぐる浮説/ 第6章 米相場と浮説―米価・貸借・棄捐令をめぐる風評被害/ 第7章 神社仏閣と「風評利益」/ 第8章 開帳とビジネス

【著者紹介】
鈴木浩三 : 1960年東京生まれ。中央大学法学部卒。筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻修了。博士(経営学)。経済史家。2007年日本管理会計学会「論文賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • BlueBerry

    興味深い内容でした。幕府の対応が凄まじい(笑。

  • 1.3manen

    信頼や信用が低下してくると、市場の思惑や 取引者の願望が、風評ともなった(011頁)。 本書の風評被害の定義は、 「ある社会事象について事実と異なる情報が 伝播していくことによって生じる人々の行動 (消費、取引などの経済活動、社会的行動など) の集積が引き起こす経済的被害」(015頁)。 幕府=官と、町人や商人=民の間に 公があり、公による経営が機能する自律都市 が成立して小さな政府が実現(045頁)。 この公の経営は現代の公共経営との異同が 気になる。 復興需要で物価高騰(093頁〜)。  

  • KAZOO

    著者は江戸時代の経済史を研究している人で、ほかの本も読んだ経験があります。この本は本当によく江戸時代の風評を調べてその影響も分析しています。かなり多くの例が出てきてこれだけを調べるのも大変であっただろうと感じます。今までにない分野の本でかなり楽しめました。

  • 石臼

    虚説、流言、浮説。言ってみれば噂話や流言流布だが、人の心理に合致したモノは瞬く間に広がり社会問題になる。風評に振り回されるのは政治と経済だ。どちらもロジックに基づいているように見えて、実際に動かしているのは人だから、心理の動きに影響される。しかも、本書を読む限りでは、大規模な影響のある風評ほど、誰かにとって利益があるもの、作為的なものと見える。

  • 星菫

    江戸時代の話を読んでも、3・11の直後を振り返ってみても、風評に躍らされるのは愚かだと思うけれど、そのさなかにいたら自信がない。相当の冷静さと見識が必要だと思う。

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