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国から見すてられる人びと 障害者・ホームレス・非行少年を排除する社会で

鈴木文治

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784768459805
ISBN 10 : 4768459803
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

本書が取り上げるのは、「棄民」、すなわち国家にとって不必要な存在として救済から見棄てられた人々の代表といえる、「障害者」「非行少年」「ホームレス」の実態である。

川崎市に新設された支援学校の初代校長であり、ホームレスの人々や非行少年を受け入れ続けた教会の牧師である著者にとって、「棄民」は最も身近で深く関わった人たち。実体験を通じ著者は、ホームレスの人々や非行少年に対するいわれなき差別や偏見が社会の至る所にみられること、そして、彼らの多くは子ども期に親や身近な人からの「存在否定体験」を経験していることに気が付いた。彼らは決して自ら望んで今の立場にあるわけではない。不適応行動に追いやられた者であり、社会の犠牲者である。インクルーシブ教育の理念と活動が広がり、障害者との共生は不完全ながら前向きに目指されつつある。しかし、ホームレスや非行少年らを、「自助」・「自己責任」論を原理に棄民として排除している現代社会は、真のインクルーシブ社会とは程遠い。

本書において著者は、「棄民」の根底にある要因を理解すること、そして自らが実践してきた神奈川県での先進的な教育・講演・活動をもとに、障害者だけを対象としないインクルーシブ教育の重要性を提示する。さらに、障害児教育の理念や専門的指導システムが、ホームレスや非行少年にまで適応できる汎用性と可能性をもっていることを示す。

障害者教育を専門とする教師とキリスト教の牧師という立場を経験した著者にしか暴くことのできない、現代社会の闇と傲慢、そして真のインクルーシブ社会への展望です。

【著者紹介】
鈴木文治 : 1948年長野県飯田市生まれ。中央大学法学部法律学科及び立教大学文学部キリスト教学科卒業。川崎市立中学校教諭、神奈川県教育委員会、神奈川県立盲学校長・県立養護学校長、田園調布学園大学教授、日本キリスト教団桜本教会牧師等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ネギっ子gen

    【人は他者に仕えるために人は生きている】棄民の代表たる「障害者」「ホームレス」「非行少年」を軸に、政府による棄民状況の実態と、棄民を国家の正当な統治機構とする原理である「自助論」と「自己責任論」を検討する書。著書に『インクルージョンをめざす教育』『ホームレス障害者』『インクルーシブ神学への道』『差別する宗教』がある、盲学校長等を歴任した元牧師の新刊。巻末に参考文献。<健常者とは「健やかなること常なる者」と表現されるが、そのような人間は一体どこに存在するのか。人は生まれながらに人の世話になって生きる>と。⇒

  • とよぽん

    衝撃的なタイトルに誘われて。SDGsの文言に「誰ひとり取り残さない」という重い言葉がある。そこへ、「国から見すてられる人びと」と。著者は長年障害者児の教育や教会でのホームレス・障がい者支援に取り組んでこられた。障がいをはじめ、生きづらさを抱え生きてきた人たちへの理解と共感が素晴らしい。川崎市という福祉先進地域でも、住民の理解がなかなか得られない時代から粘り強く活動を進めてこられた。実践と理論から世に訴える「あるべき社会」を示した渾身の著書だと思う。排除からは何も改善しない。

  • あみやけ

    この方の業績やお考えはすごいと。もちろん僕も障害者の一人です。ただ、学校がここまで背負えないです。タイトルが良くない。国策の批判本かと誤解されます。せめて、「国」ではなく「社会」ではないでしょうか?差別は日本人の意識の中にたくさん残っていると思います。恥ずかしながら僕にもあるかもしれません。福祉教育には自分では力を入れてきたつもりですが。それでも社会全体で随分改善されてきているところもあると思います。教育分野でもここ数年の療育施設の増加やそれに対する公的な支援をみても。自分も14ヶ月勤めて実感しました。

  • たまきら

    読み友さんの感想から。「誰も見捨てない」という著者の強い精神の根底に、キリスト教の真の教えである愛を見た。同時に私たちの「自己責任」カルチャーはどうしてここまで他人の苦境に無関心なのかを考えた時、ある種の諦めや無関心を感じる。国に助けてもらうためには、彼らの視野に入らなければいけないのだ。そうでないとどんどん見捨てられる「界隈」は増え続けるであろう。…自分の中のアナキストな部分が(こんな国自分から捨てたいわ!)と叫んでるが…意識を変えたい。「叩けよ、さらば開かれん」ー叩き続けるのもパンク精神だよ。

  • みーあ

    ★3.5 障害児教育の教師とホームレスを受け入れる教会の牧師として生きてきた著者の経験に基づいた熱い内容で読みごたえがある。が、助詞の誤りや一文の長さに、少々読み疲れした。自分に重箱の隅をつつくような細かさがあると気づかされた。88〜90頁の「少年犯罪の増加と凶暴化は、保守政治家により作り出されたものであり、政治とマスコミが一体となった国民統治の「フェイク」であることを知らなければならない」に付箋。そういう捉え方をするのだなーと感じた。220頁の「現在の教育目的が個人の幸福追求を重要視し続けたあまり、

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