いまだ成らず 羽生善治の譜

鈴木忠平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163918495
ISBN 10 : 4163918493
フォーマット
出版社
発行年月
2024年05月
日本
追加情報
:
304p;20

内容詳細

25歳、七冠制覇。47歳、永世七冠達成。時代を築いた男は順位戦B級に陥ちてなお、52歳で藤井聡太との勝負に挑んだ。敗北を受け入れながら盤に臨む棋士たちの智と業を活写したノンフィクション。

目次 : 第1章 時代の声/ 第2章 土曜日の少年/ 第3章 人が生み出すもの/ 第4章 夜明けの一手/ 第5章 王将の座/ 第6章 マルクスの長考/ 第7章 天が与えしもの/ 第8章 敗北の意味/ 終章 終わりなき春

【著者紹介】
鈴木忠平 : 1977年、千葉県生まれ。愛知県立熱田高校から名古屋外国語大学を卒業後、日刊スポーツ新聞社で中日、阪神などプロ野球担当記者を16年間経験して2016年に退社。2019年までNumber編集部に所属したのち、フリーのノンフィクション作家として活動する。2021年に刊行した『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』でミズノスポーツライター賞最優秀賞、大宅壮一ノンフィクション賞、講談社本田靖春ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • mae.dat さん

    羽生善治の棋戦エピソードを通じて、対戦相手は勿論の事。元を含めた奨励会員や将棋記者、将棋道場や将棋会館の職員など関わる人々の人生やら胸中やらを詳らかにして行くのね。関わる人々の想いと共に、特にトップ棋士の場合は、煌めく才能と将棋哲学にも通ずる様な業が浮き彫りにされる様で胸を熱くします。実は藤井棋士と同じ出身地でね(そして青山美智子さんの高校の近く)。デビュー以来、観る将的に応援しています。でも第72期王将戦ですよ。何方を応援しようか悩みました。でも幕を開けたら、自然と羽生さんを応援していましたよ。

  • アキ さん

    「羽生さんは指先から本筋が溢れ出てくる」永世竜王渡辺明が語る羽生善治評。米長邦雄名人が50歳の時、22歳の羽生善治に名人位を明け渡した。それから羽生は25歳で七冠を制覇し、99ものタイトルを獲得し1527の勝ちを積み重ねてきた。AI時代が来て、藤井聡太が現れた。2023年3月第72期王将戦で20歳の藤井聡太が50歳を越えた羽生善治に勝った6局を中心に周囲の棋士、記者、記録係の人生も絡めて、羽生善治の棋士としての生き様をあぶり出している。それは25歳で七冠を制覇してから変わらない。将棋の本質を探す旅なのだ。

  • けんとまん1007 さん

    やはり、羽生さんは特別な存在であると再認識。獲得したタイトル数や、勝利数・対局数だけなく、風情や醸し出す雰囲気も含めてそう思う。気が付くと、羽生さんが年齢を重ねるにつれて、持つ印象がどんどん良くなってきているのは、そういうところからきているのかもしれない。その羽生さんと、知っている棋士の方との関わりが興味深い。それぞれの個性がうまく描かれている。読み終わって、「いまだ成らず」というタイトルの意味が、わかってきたように思う。

  • 道楽モン さん

    情け無用の勝負の世界。盛者必衰であり生々流転。ひとりの突出した天才の出現が、世界を一変させる。我々は現在、将棋界において、藤井聡太による羽生世代棋士からの世代交代を目撃している。とはいえ、彼らもまた前世代を淘汰してきた歴史があり、日本将棋連盟が存続する限り、この繰り返しは続くのだろう。本書は頂点を極めた羽生善治9段の軌跡と、羽生世代の代表的棋士たちの歩みをまとめたものだ。B級に転落しても引退せず、自らの成すべきことを全力で成し遂げる姿勢のみならず、若い世代に切り込もうとする闘士としての宿命が熱い。

  • nonpono さん

    将棋って思ったのが、人見知りの父が妹の彼氏や甥っ子と楽しそうにコミニケーションをとった姿を見たからである。幼い甥っ子との対局のあとで、「わざと負けるって難しいんだよ」と言った。わたしはバリバリに羽生の無敵さを見て来た世代である。羽生の無敵さの裏には負けたライバルのため息がある。そして、彗星のごとく、藤井聡太であり。あの羽生を超える?八冠って。AIより盤上にこだわる藤井に昔からのファンもよみがえる。「一局の将棋は後悔だらけですが、後悔の多い人生こそ充実している。」と羽生の言葉が刺さる。今の羽生の顔が好きだ。

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鈴木忠平

1977年、千葉県生まれ。名古屋外国語大学を卒業後、日刊スポーツ新聞社で中日、阪神などプロ野球担当記者を16年間経験して2016年に退社。2019年までNumber編集部に所属したのち、フリーのノンフィクション作家として活動する。本作で第32回ミズノスポーツライター賞最優秀賞、第53回大宅壮一ノンフ

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