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閉された言語・日本語の世界 増補新版 新潮選書

鈴木孝夫

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784106037979
ISBN 10 : 4106037971
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日本語を話す人=日本人という「単一言語国家」であり、歴史上侵略された経験がない日本人は、いかなる言語を育んできたのか。数種類の一人称代名詞をもち、「相手依存」で自己規定する私たちの言葉の不思議。言語社会学の第一人者が、言語と文化への深い洞察をもとに、日本語観、外国観、そして日本人の自己像を考える。時代を経ても色褪せない必読の論考。

目次 : 第1章 日本人は日本語をどう考えているか(日本語を捨てる日本人/ 明治以後の日本人の国語観 ほか)/ 第2章 文字と言語の関係(日本語の表記体系は果して不合理か/ 日本語の表記としての漢字 ほか)/ 第3章 世界の中の日本語の位置(日本語は大言語である/ 単一言語国家と多言語国家)/ 第4章 日本文化と日本人の言語観(異民族、異文化との特殊な接触形態/ 日本社会の等質性について ほか)/ 第5章 日本の外国語教育について(目標を見失っている英語教育/ 英語はもはや「英語」ではない ほか)

【著者紹介】
鈴木孝夫 : 慶応義塾大学名誉教授。1926年、東京生。同大文学部英文科卒。カナダ・マギル大学イスラム研究所員、イリノイ大学、イェール大学訪問教授、ケンブリッジ大学(エマヌエル、ダウニング両校)訪問フェローを歴任。専門は言語社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 袖崎いたる

    岩波文庫の文語訳新約聖書の巻末の文章にもあったと思うけれど、日本人はその文章が晦渋なほどありがたみがあるものとして認識すると、本書でも語られる次第。某批評の神様の文章もそういえばそんな感じ。小谷野敦さんも切っ先を向けていたのもそんな理由だったか。本書では日本語批判がなされているわけで、「明晰なものは日本語ではない」などと主張してみたり、片や音訓相通の言語習慣を讃えてみたりと。しかしその閉鎖性に関しては一貫して問題視してて、ゲーテがいうように「外国語を知らない者は、自国の言語についても何も知らない」の構え。

  • みつ

    先日逝去した著者による、日本語論から始まり日本文化論に及ぶ一冊。2017年の増補新版ではあるが、既読の1975年初版を多く踏襲している印象。音節構成が単純な日本語の特性から仮名表記がローマ字表記よりも便利な点(p47以下)、視覚に依存する「テレビ型言語」としての特性(p81以下)、漢字に音訓両方が当てられることの意義(p89以下)などがわかりやすく説かれる。後半の日本文化論では今なお妥当するところがある一方、近年増加する英語を学んでいない外国人との意思疎通手段など新たな課題に関しては、また別の考察が必要。

  • もだんたいむす

    まぁ、面白かったが、やはり古い。

  • アンゴ

    ★★★★★ 日本人がいだく日本語への幻想的言語観を身近で分かりやすい例を挙げながら、その行動原理を平易な文章で腑分けしていく名著。原著上梓は1975年だが、現在からみて論理的正当性がまったく陳腐化することなく、学問に対する著者の先見性と当時の趨勢に引きずられない客観的態度に敬服する。 第5章の「日本における外国語教育」に対する提言は、現在欧州で主流となるCEFRの理念とcan doそのものを示唆している。著者の半世紀前の提言が生かされていない、国語、日本語周辺の学者たちの怠慢の状況証拠ともいえる。

  • Kazuo Ebihara

    本書は、1975年に刊行され、 2017年、新潮選書50周年を期に加筆修正し、 新版として再刊されたもの。 日本語と世界の諸言語との縦横な比較。 言葉と文字と文化を巡る様々な考察。 日本語論から日本人論へ展開。 時代を全く感じさせない作品でした。

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