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貴方がわたしを好きになる自信はありませんが、わたしが貴方を好きになる自信はあります ダッシュエックス文庫

鈴木大輔

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784086312196
ISBN 10 : 4086312190
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

反響続々! 吸血鬼をめぐる[年の差]×[異種族]ラブストーリー!
仮に、世の中の人間をふたつの種類に分けるとしたら。
あなたなら何と何に分けますか?


「吸血鬼とそれ以外、だな」
「いいえ。運命の人に出会えるか出会えないか、です」


ようこそこの本を手に取ったあなた。この物語はわたしが好きな男性とひたすらいちゃいちゃするだけの話です。そういう話が嫌いな人はそっとページを閉じてください。残念ながらお呼びじゃありませんので。
……いいですか?
……いいですね?
では本題に戻ります。この物語の主な語り手はわたしじゃなくて、わたしの好きな人です。彼はとてもシャイなので、わたしの解釈とはまるで違った物語をつづるかもしれません。ですが心してください。この物語はあくまでもわたしと彼がいちゃいちゃするだけの話。途中でどんな回り道をしようと、どんな危機的展開になろうと、必ず最後にはハッピーエンドにたどり着きます。それをここでお約束しましょう。
ではどうぞ選ばれたあなた。安心してページをめくってください。めくるめく愛の物語がこの先に待っています。

引き金を引いた。
命中。さらに発砲。命中。
すでに重いダメージを食らっていたそいつの身体が瞬きする間に飛び散っていく。腕がもげ、脚が吹っ飛び、内臓をぶちまけ、ついには首から上だけが路地裏に転がり、そこでようやく俺は発砲を止める。
生首の視線がこちらに向く。
瞳をしっかと見開き、だらしなく剥き出した舌を垂らし、水槽から飛び出した金魚みたいに口を開け閉めしている。肺と声帯がまだ繋がっていれば、さぞかし恨みがましい遺言を聞かされていただろう。
「そんな目で見るな」
生首を拾いあげて俺は顔をしかめる。
「今日はたまたま俺が生き延びた。明日は我が身だよ」
首から上が残っていれば公安のデータベースに照合できる。つまり、今や生首だけになったこいつが吸血鬼だと証明するには十分。事後の処理は別の業者が担当する。俺の仕事はここまでだ。
自己紹介が遅れた。
俺は神谷誠一郎。二十八歳。職業はバーテン。池袋の横丁でバーを経営している。趣味はアンティーク時計の収集と修理。カウンター席が六つしかない店の稼ぎは雀の涙だが、ぼちぼち食えていける程度にはやっている。
そんな俺がこれから語るのは、とある奇妙な物語だ。
20XX年の冬に始まった、残念ながら現在進行形で、しかもどうやら世界の命運が掛かっているらしい、壮大なくせにちっぽけな物語。こいつが果たして悪夢で終わるか、語り継がれる英雄譚となるか。それは各々で確かめてもらうとしよう。
……否。
ここは素直に白状する。正直言えば俺にもよくわからないんだ。俺は、俺の身の上に降りかかっているこの物語を、どう扱っていいものか途方に暮れていて、だからこうして誰かに語ろうとしている。身に余るものはシェアするに限るだろう? 荷が重いんだよ俺の肩には。それでいて捨てるわけにもいかないから困りものだ。
ともあれ語るとしよう。
物語は、俺がひょんな成り行きから、とある家出少女を拾ったところから始まる。

【著者紹介】
鈴木大輔 : 第16回ファンタジア長編小説大賞にて佳作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • よっち

    吸血鬼ハンターの顔も持つ池袋の横町で小さなバーを営む神谷誠一郎。ある夜、彼のもとに世界で唯一の自称生まれつきの吸血鬼綾瀬真が訪ねてくる物語。吸血鬼になってしまった妹を追う誠一郎。かつての恋人・綾瀬泉の娘をかくまうことにした彼と、自らの目で見極めた誠一郎を信頼し押しかけ女房気取りで振る舞う真。可憐でしたたかな真が見せる可愛らしいギャップと、ストイックでルーチンを大事にしていたはずなのにいつの間にかそれを受け入れ始めている誠一郎の距離感が素敵で、複雑に絡み合う因縁が何をもたらすのか、続巻がとても楽しみですね。

  • むっきゅー

    表紙のイラストから受ける印象と、話の内容のギャップにやられた。確かに、14才のヒロイン綾瀬真の恋愛脳から見れば表紙で合ってるんだけどさ。原因不明の吸血鬼化が問題となっている近未来の日本(池袋)が舞台。28才バーテンダーの主人公・神谷誠一郎は、吸血鬼を狩る猟犬という一面を持つ。そこに自ら吸血鬼を名乗る、かつての恩師の娘・綾瀬真が助けを求めてきた。徐々に明らかになる真の謎。消息をたった母・泉の行方。誠一郎の協力者・優也や沙織との関係、吸血鬼との共存を目指すユニオンの闇など、ミステリー風に展開する。

  • サケ太

    吸血鬼の幼女は可愛いのだ。バーテンダーにしてハンター、吸血鬼になった妹に家族を惨殺された過去を持つ神谷誠一郎。彼の元にかつての恋人の娘を名乗る少女、綾瀬真が訪れる。随所で賢さを見せる真。彼女に押し切られる形で始まる、二人の騒がしいながらも穏やかな生活。読みやすさは勿論。二人のイチャイチャを見せ付けられつつも、世界観が説明されるのは分かりやすい。続巻がでたら読みたいシリーズ。

  • たこやき

    アクションシーンとかを含めながら……という話を想像していたら、そういうシーンを匂わせつつ、誠一郎と真のやりとりがメインの話にまず驚いた。ただ、その分、二人のキャラクターが光っている、真の母との思い出などを考えながら、不器用にも真を守ろうとする誠一郎。達観して、大人びたように見えて、時折、年相応の幼さが見え隠れする真。その両者のやりとりがじっくりと掘り下げられており、その意味ではまっすぐな恋愛小説と言えるのかもしれない。世界観の掘り下げとか、そういうのは2巻以降かな?

  • Merino

    ラノベに限らず想像の世界になぜ吸血鬼モノが多いのかがよくわかる良作でした。先もまだあるみたいで、そんなお話の立ち上げに出逢えた事を嬉しく思う。

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