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東京の地霊

鈴木博之

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480092014
ISBN 10 : 4480092013
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2009
Japan

Product Description

日本橋室町、紀尾井町、上野の森…。その土地に堆積した数奇な歴史・固有の記憶を軸に、都内13カ所の土地を考察する「東京物語」。【解説: 石山修武 】

Content Description

三井財閥と久能木一族が争った一等地・日本橋室町、薄幸の皇女の影をひきずる林野庁宿舎跡地、天海僧正が京都を模した上野の山…。どのような土地にも、時を経ても消えることのない歴史・記憶の堆積、「地霊(=ゲニウス・ロキ)」がある。それは、土地に結びついた連想性と可能性を生み、その可能性の軌跡が都市をつくり出していく。江戸から平成まで、近代の東京の歴史は、そうした土地の歴史の集積として見ることができるだろう。数奇な変転を重ねた都内13カ所の土地を、新しい視点から考察し、広く話題を呼んだサントリー学芸賞受賞作。

目次 : 港区六本木 民活第一号の土地にまつわる薄幸―時代に翻弄された皇女の影を引きずる林野庁宿舎跡地/ 千代田区紀尾井町 「暗殺の土地」が辿った百年の道のり―怨霊鎮魂のため袋地となった司法研修所跡地の変遷/ 文京区‐護国寺 明治の覇者達が求めた新しい地霊―その「茶道化」の立役者・高橋箒庵/ 台東区‐上野公園 江戸の鬼門に「京都」があった―いまも生きつづける家康の政治顧問・天海の構想/ 品川区‐御殿山 江戸の「桜名所」の大いなる変身―庶民の行楽地から時代の覇者達の邸宅地へ/ 港区芝 現代の「五秀六艶楼」のあるじ―「さつまっぱら」と郷誠之助と日本電気の関係/ 新宿区‐新宿御苑 幻と化した「新宿ヴェルサイユ宮殿」―造園家・福羽逸人の構想と三代の聖域/ 文京区‐椿山荘 目白の将軍の軍略にも似た地政学―権力者・山県有朋の土地と庭園に対する眼力/ 中央区日本橋室町 三井と張り合う都内最強の土地―九三坪二合九勺に賭けた久能木一族の意地/ 目黒区目黒 「目黒の殿様」がみせた士魂商才―明治の秀才・久米邦武の土地に対する先見の明/ 文京区本郷 東大キャンパス内の様々なる意匠―安田講堂はなぜ東大の“象徴”なのか/ 世田谷区深沢 東京西郊の新開地・うたがたの地霊―近衛文麿の末期の眼に映った巨大和風庭園の終焉/ 渋谷区広尾 昭和・平成二代にわたる皇后の「館」―前皇后が住まい、現皇后が学んだ土地の縁

【著者紹介】
鈴木博之 : 1945年東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。1974‐75年、ロンドン大学コートゥールド美術史研究所留学。1993年、ハーバード大学客員教授。現在、東京大学大学院工学系研究科教授(建築学専攻)。『東京の地霊(ゲニウス・ロキ)』でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • おせきはん

    江戸から東京に変わった後に、それぞれの土地の使われ方にどのような変化があったのか、上野、護国寺などの事例が紹介されています。江戸時代の面影が残っているところも残っていないところもありますが、当時に思いをはせながら、ゆっくり歩いてみたくなりました。

  • ネムル

    東京23区内を中心に江戸から現代に向けた土地の記憶を追う。ブラタモリとも少し手法が共通する内容だが、これは刺激的な内容だ。ある土地は影のフィクサーによって場所性が作られ、ある土地は著者の探偵的な慧眼で物語が作られる。白眉は四章の上野公園と寛永寺か。「幸せな土地、薄幸な土地、売れる土地、売れない土地というものはあるものである。その奥にひそむものを私は地霊だと考えたい」、この本の元版が出て30年、地霊とその信仰が如何ほど残っているかは疑問だが、とりあえず散歩がしたくなる。

  • kk

    紀尾井町、上野公園、御殿山など、都内のいくつかの地点について、それぞれにまつわる経緯や因縁を紹介しながら、土地にはその土地に特有の性格や表情のようなものがあり、それは後代の発展の在り方にも何かしらの影響を及ぼし得ると説くもの。「地霊」とは銘打つものの、オカルト的な要素はあまりありません。寧ろ東京のケース・ヒストリーとして楽しめる内容だと思いました。「土地の歴史としての都市の歴史は、土地の上を流れる時間の古層のなかに、おもわぬ人々の姿をうかび上がらせてくれるものなのだ。」

  • Ribes triste

    こういう本が、たまらなく好きだ。東京のとある場所に視点を置き、その地にまつわる江戸、明治、昭和の歴史と事件そして土地の変遷が綴られていく。バブル期の絶頂期に、急速な開発と共に失われていくであろう土地の記憶。これを地霊(ゲニウス・ロキ)という趣きある言葉で表現するのもいい。静謐で研ぎ澄まされた文章ではあるが、その奥には作者の熱量がうかがわれる。

  • 浅香山三郎

    『日本の地霊』に先立つ〈地霊〉シリーズ。どの章も面白いが、護国寺・椿山荘・三井本館・深沢を扱ふ各章が印象に残る。単行本としては1990年刊なのだが、丁度バブル期であり〈まちこわし〉が進む情況が、〈地霊たち〉が著者をして町の来歴を調べさせたのであらうといふ気がする。

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